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20120418

主体的な安全保障?のつづき

「検証動かぬ基地 vol.108 「辺野古案」アメリカの有識者はこう見る」QABステーションQ、2012年4月17日
取材も秀逸だし、キャスターによる末尾のまとめのところが分かり易い。
「辺野古への移設について、クレモンス氏は「不可能」。オハンロン氏とモチヅキ教授は「撤退・後方展開」。バンドウ氏は「全基地撤退」。そしてスナイプ弁護士は「反対」。こうして見ると、もはや辺野古にこだわっているのは日米両政府だけなのではないか、という構図が見えてきます。アメリカ国内では財政上の問題が一番の理由ではありますが、「普天間は辺野古へ」という図式が、亡霊のように彷徨っているだけ、という印象です。」

「不可能」と言ったとまとめられているスティーブ・クレモンス(アトランティック・主任編集員)は、チャルマーズ・ジョンソンの薫陶を受けた人という感じかなぁ。大田知事時代に、日本政府の基地とリンクした振興策を批判した人。この「不可能」は、仲井真知事がよく言う「不可能」とは意味がぜんぜん違うと読むべき。でも、日本政府と米国のジャパン・ハンドに対して手厳しいのであって、沖縄住民の味方とか、そういうのは文脈に依存するかなと思う。

「撤退・後方展開」と言ったふたりは、ナルホドね。
マイケル・オハンロン(ブルッキングス研究所・上級研究員)
マイク・モチヅキ(ジョージワシントン大学教授)
かれらが現ジャパン・ハンド(で、後述するように「オキナワ・ハンド」)。こちらのほうがむしろ仲井真知事の「辺野古は無理」の内心を正確に言い表しているんじゃないかと思う。

「えー、もう、全部撤収じゃー」と言ったのは、ダグ・バンドウ(ケイトー研究所・上級研究員)=共和党保守系シンクタンクの人。当然だけれど、沖縄の反基地運動の精神とは全く無関係。大統領選挙との絡みで、こういう見解になる。

「反対」と言ったのは、ビル・スナイプ(生物多様性センター・弁護士・原告)。つまりジュゴン裁判の米国側原告。辺野古の基地反対運動にもっとも近い位置から発言したということ。


さて、このニュースを踏まえて先日の記事「主体的な安全保障?」に関連して続き。
たまたまだけれども同じ日に、別々のソースだけれど関心を共有する内容が配信された。

ガバン・マコーマック、乗松聡子「沖縄についての『誤解』:沖縄県『地域安全政策課』主任研究員の米国シンクタンク寄稿文について」Peace Philosophy Center blog 2012年4月17日

問題の寄稿文はCSIS (Center for Strategic and International Studies)(国際学・戦略研究センター)のPacific Forum(太平洋会議、在ハワイイ)が出しているニューズレターPacNetに掲載されたもの。
Yukie Yoshikawa, "Misunderstandings on the US Military Bases in Okinawa," PacNet no.24A, April 5, 2012.

寄稿文を書いた著者の吉川由紀枝さんという人は・・・
3月まで(?)ライシャワー東アジア研究センターのシニア・リサーチフェロー(The Edwin O. Reischauer Center for East Asian Studies)(ジョンズホプキンズ大の国際関係論の大学院SAISの研究センター、所長は『日米同盟の静かなる危機』の著者ケント・カルダー氏)で、
「日本ソフトパワー研究所」なるサイトで協力者として登録されており(この日本ソフトパワー研究所は、ジョセフ・ナイの「ソフトパワー」論を日本で実践しようということらしくて、ナイ=アーミティッジ・レポートの翻訳なども紹介されてた)、
「開国ジャパン」なるサイトの「開国アンバサダー」なのだそうで、いくつか寄稿している人。このサイトは、なんだか説明できない「国際人」とか「グローバルなんとか」とか言ってはしゃいだような気持ちになる国民論の、痛い大衆的表出、という感じ。

ググって見つけた情報から構成するとこのような人物理解になる。「関心空間」とか「あの人検索スパイシー」みたいに、現実の人物像との大いなるギャップもあろうかと思うケド。大学卒業後、外資系コンサル業→学位取ってステップアップ目指す→コロンビアの公共政策大学院→サイスのライシャワー・センターでケント・カルダーに師事→日米関係で、英語で発言する若手→沖縄県庁の研究員!?という、最後の流れがビックリな気がするとしても、これから現場で活躍しようと意気込んで来沖した人なのだと思う。でも、沖縄についての現実的で等身大の実感的な理解がどれほどあるのか。4月に着任して間もないわけだから、無理はない、これからの人。でも、そうならばなぜ、4月の着任早々にこんな文書を、米国シンクタンクに、それもCSISに投稿したのか。嘆息。

マコーマック&乗松コメントやこれまでの報道によれば、沖縄県庁「地域安全政策課」は、アドヴァイザーとして、マイク・モチヅキ、マイケル・オハンロン、シーラ・スミス、ケント・カルダー、高良倉吉などの名前を挙げていて、おっとっと。これはあれだね「沖縄クエスチョーン」な顔ぶれ。ということは「沖縄イニシアティヴ」の流れを汲みつつ、ジャパン・ハンドラーで固めた観あり。

さて、寄稿文については、マコーマック&乗松が論点を整理してくれているのでとても有り難い。読みやすい文章だし、末尾のコメント欄も含めてサイトに当たってほしいけど、パパっと整理すると、
1)「沖縄は米軍基地の責任ある受入地域」言説への批判。
2)北部を犠牲にして良い論調がある。
3)嘉手納統合を安易に論じている。
4)辺野古案への反対運動・県民の反対の声を矮小化している。
5)鳩山の「フリップフロップ」に責任転嫁。ころころ意見を変えたのは仲井真のほうでしょ。
6)沖縄代表みたいに書いてあるが、これは吉川の見解なのか県庁「地域安全政策課」の方針なのか。
7)県庁内シンクタンクと言える地域安全政策課は沖縄に貢献して欲しい。

1)の見解はまさに「沖縄イニシアティヴ」とケント・カルダー色に彩られているということ。
2)が最も重要な点だと強調しておきたい。仲井真県政は、たまたま現在の辺野古案に対する態度だけで評価されているようだけれど。高江ヘリパッド建設の見直しをする姿勢が全く見られないことを常に念頭に置いて批評する必要がある。矛盾というよりも破綻なのだ。沖縄域内の南北差別構造との指摘は、なるほどそういう見方もあるかもしれない。沖縄の現実を肌身で理解しない国際関係論畑の若手研究員に書かせちゃったから、意図せずして露出してしまったのかもね。
5)「フリップフロップ」とは島ゾーリのことなのだ。と関係ないコメント。ペタペタのぺらっぺらってことなんだけど。ブッシュ息子の2期目の大統領選で、共和党が民主党候補を揶揄するために連呼したキャッチコピー。鳩山政権について似たような言論攻撃の真似をしたという感じが、ザワッと来るなぁ。

さて、屋上屋を追加する余地なしだが、蛇足的に指摘するとすれば
-普天間基地の返還は、まったくもって、「サラミ」のスライス程度の返還では、まったくない!なーにがサラミだ!サラミ・テクニックとは気にならない程度の量を掠め取る詐欺の手口に使うもの。否定するためならこのようなレトリックを使っていいという安易さが下品だと思う。メア発言と同じ意匠が施されているということだ。
-オリジナルのCSISサイトで、県民世論の数値を削除した点の訂正が注記されていない。それはどうなのよ。
-3)について、『沖縄タイムス』によれば、嘉手納統合案の論調について修正をするらしい(「嘉手納統合」県主任研究員の論文修正へ『沖縄タイムス』2012年4月14日。)。ところが記事を読むと「反省」したり「申し訳ない」と言っているのは又吉知事公室長だ。イニシアティヴは、著者である吉川さんではなく、なぜ又吉知事公室長なのか。そのようなものが研究の成果のように発表されたのか。吉川さんとしてはどのように受けとめているのか。吉川さんもシンクタンク研究員として、譲り渡してはいけないものがあるだろう。

大きな図式から、県庁当該課のなかでの著者の立場に至るまで、イニシアティヴ、つまり主体性がこれほどまでに危ういテクスト、ということだ。鳴り物入りの沖縄県庁の新組織は、名称を「日米安保課」に変更すべきだし、県民の公的な代表の仮面など付けずに、CSISの沖縄支局として堂々と活動したらいいんじゃないかなと思う。だから、マコーマック&乗松の7)の点については皮肉として読む以外には賛同できない。県庁・県知事を批判できる独立機関では全くないし、県庁内部にビルトインされた米国の政策執行代理店であると見るのが正確なところだろう。

【追記】そしてCSISが国防省の太平洋戦略のお先棒担ぎ機関に、というニュース。あいや〜。
CSIS Tasked by DoD to Conduct Independent Study of Force Posture Positions for Pacific Command Area, April 3, 2012.

20120416

元米兵が覆したエージェント・オレンジ否定論の封印>ジョン・ミッチェル枯葉剤報道第7弾


2012年4月15日
元米兵が覆したエージェント・オレンジ否定論の封印:沖縄の基地で有毒の枯葉剤を貯蔵していた、元米兵が語る
ジョン・ミッチェル
『ジャパン・タイムズ』への特別寄稿
[オリジナルの記事は以下。Jon Mithcell, "Okinawa Bases Stored Toxic Defoliant, Ex-soldier Says: U.S. Vet Pries Lid off Agent Orange Denials," Japan Times, April 15, 2012.
 画像はオリジナルの『ジャパンタイムズ』サイトでご覧下さい。以下にキャプションのみ訳しました。
(画像1 ラリー・カールソン)
(画像2 あまりに多くの苦痛:ラリー・カールソンが退役軍人省に送った様式には、1960年代沖縄でのエージェント・オレンジ被曝に由来する健康被害が列挙されている。提供、ラリー・カールソン)
(画像3 米陸軍の制服姿のカールソン。提供、ラリー・カールソン)
(画像4 ラリー・カールソンに補償を認定したことを示すVAの手紙。提供、ラリー・カールソン)
[翻訳者注:Webでは画像3と4が入れ替わっているようです。]


フロリダ州ジャクソンヴィル発---1965年と66年に、何千ものドラム缶のエージェント・オレンジが沖縄で積み降ろされ、那覇の港、米軍の嘉手納基地、キャンプ・シュワブに貯蔵されていたと、沖縄に駐留したアメリカ人退役兵が主張した。

4月初旬に、ジャパンタイムズと沖縄のテレビ局である琉球朝日放送が行ったインタビューで、元歩兵で67才ののラリー・カールソンは、また、沖縄の港湾作業員も貨物室で働いている際に非常に毒性の高い枯葉剤に被曝したと言い、嘉手納空軍基地で噴霧していたのも目撃したと語った。

カールソンは、沖縄で有毒の枯葉剤に被曝したことで米国政府から補償金を勝ち取ったわずか3名の米兵のうちのひとりであり、さらに一歩踏み出して、それらが大量にこの島に保管されていたことを明らかにした初めての人物となった。

彼の主張はその他の5人の米兵の証言と1966年米国政府文書によって裏付けられており、真実ならば、エージェント・オレンジは沖縄にかつて一度も貯蔵されたことはないと否定し続けるペンタゴンの主張の嘘を暴露するものとなるだろう。

「米国防省が調査したところ、(エージェント・)オレンジを南ベトナムに輸送する途上で沖縄に立ち寄った航空機や船の記録は発見されなかった」と在日米軍広報副部長のニール・フィッシャー少佐は、近頃、ジャパンタイムスに回答した。

だが、除草剤に被曝したカールソンへの補償金を認定した退役軍人省の裁定は、彼の発言の根拠となるだろう。

「私のことは氷山の一角に過ぎない。ほかにも大勢が私のように毒物を浴びたのに、VA(退役軍人省)が要求を退けている」、フロリダの自宅でのインタビューでカールソンは語った。「私はかれらに、しっかり足場を固めて踏ん張るようにと励ましているのです」。

米陸軍時代、カールソンは第44輸送部隊に所属し那覇軍港で1965年12月から67年4月まで任務に就いた。

「輸送船が(米国から)入港するたび、私たちはエージェント・オレンジのドラム缶を運んだのです。船から積荷を降ろすのにたっぷり12時間は働いた」と彼は言う。

「たびたび、トラックに降ろすときにドラム缶は漏れていた。私は少なくとも3度それを浴びたが、(貯蔵場所までドラム缶を)運んでいる間はどうすることもできず、兵舎へ戻るまで洗い流すこともできなかった」。

ヴェトナム戦期をもっとも彩った米商船、USSコメットとSSトランスグローブは、カールソンによれば、沖縄にエージェント・オレンジを輸送するために使われた。

平均して2ヶ月おきに輸送船は到着しており、なかでも1966年は最も頻繁だったと言う。

「苛烈な時だった。どこでも私たちの働き手を必要としており、何でも運んだし、そのなかにはエージェント・オレンジも含まれていた」とカールソンは語る。

積み降ろされた後、ドラム缶はいったん沖縄島に貯蔵され、そこから南ベトナムへ移送し、米軍は対ヴェト・コンの枯葉剤作戦のため大量のエージェント・オレンジをジャングルや耕作地に投下した。

ヴェトナム赤十字の推計では、戦後40年になる現在もなお300万人のヴェトナム人が除草剤に含まれていたダイオキシン被曝で苦しんでいる。

カールソンの主張は那覇港、嘉手納空軍基地、米海兵隊キャンプシュワブが今なおエージェント・オレンジのダイオキシン、すなわち土壌に何十年も残留し広範に及ぶ先天異常や死産、癌その他の疾病と関連してきた物質に汚染されているのではないか、という沖縄の不安をいっそうかき立てることになるだろう。

南ヴェトナムでは、米軍が駐留し除草剤を貯蔵していた土地は、今も高い毒性が残存している。

有毒枯葉剤が漏れ出したドラム缶の荷下ろしを地元の港湾作業員も補助していたというカールソンの証言を踏まえれば、沖縄の住民も自分たちの被曝の危険性について不安を感じているだろう。

1960年代半ば、おおよそ5万人の沖縄住民が米軍基地で雇用されていたのである。

カールソンはまた、嘉手納空軍基地で除草のため薬剤を噴霧していたのを目撃したことも覚えている。

「補給網がドラム缶10本ぶん(のエージェント・オレンジ)と要求すると、トラックがそこ(その基地)へ向かい、彼らの求めに応じて何でも積み降ろした。見栄えがよいようにと、フェンスの金網に噴霧作業をしている作業員がいた」と言う。

カールソンは、2005年になって初めて、ダイオキシンを含んだ枯葉剤を浴びたために病気にかかったのではないかと疑いを持った。

「壁に突き当たった。腎臓の調子がおかしかったのだが、パーキンソン病ではないかとの診断だった。その後、肺癌にかかり、左の肺の半分と右側の一部を摘出した」と言う。

カールソンはまた自分の被曝が子どもの健康にも影響したのではないか、遺伝的疾患の可能性を心配している。彼の娘たちはタラセミア(地中海貧血症)という非常にめずらしい遺伝性の血液疾患をかかえており、そのうちふたりは死産であった。

カールソンが2006年に初めて救済を申し出たとき、VAはその要求を却下した。ヴェトナム戦争の退役兵は、14種のダイオキシンに関連する疾病への補償を自動的に認められているが、ペンタゴンが沖縄におけるエージェント・オレンジの存在を否定しているため、カールソンの最初の申請は撃沈されたのである。

だが、彼は粘り強く補償を求める闘いを行い、那覇港で一緒に作業した従軍仲間の証言を5件集めた。証言は全て、大量の除草剤が港を通って輸送されたというカールソンの主張を裏付けた。かれらのうちふたりは、虚血性心臓疾患と前立腺癌を含むダイオキシンに関連する病気に罹っている。

カールソンはまた、1966年米空軍の文書を突き止めたが、そこには、民間の技術担当者が18日間の出張でフィリピン、台湾、沖縄を訪れ、海軍・空軍兵士たちに除草剤の安全な取り扱いについて指導したことが書かれていた。

カールソンのような歩兵は、しかし、こうした訓練を受けず何の防護具もなしにエージェント・オレンジを取り扱った。

「簡単でも講習会があったなら、汚染を免れることができた者もいただろう」とカールソンは語った。

この文書はカールソンの形勢に有利に展開した。

2010年7月、フロリダ州セント・ピーターズバーグのVA地方事務所は、彼に対して沖縄でのエージェント・オレンジ被曝を原因とする最高額の障害補償を認定した。

「肺癌・・・について提出されたあなたの要求は、VAの所有する情報と証拠で立証されたと裁定しました」と、事務所から彼が受け取った手紙には記されていた。

カールソンは現在、ダイオキシンの影響を抑制するために毎日飲む20種以上の薬代など医療費の支払いに充てるため、月に2千800ドル(約22万5千円)を受けている。

「手紙を受け取ったとき、自分は恵まれていると感じた。見えない手が決定を下す人物の心に触れてくれたおかげで、私の要望が認可されたと思った。VAには本当に感謝している」と彼は語った。

昨年中に、30名以上の元米兵が、『ジャパン・タイムズ』紙に対して、1961年から1975年に、沖縄にある15カ所におよぶ駐留米軍施設に配属されている間に、エージェント・オレンジ被曝したため病気になったと語っている。

米国政府の記録によれば、さらに130名の元米兵が、カールソンと同様の補償要求を申立てており、専門家によれば、被曝した者の数は何千人にも上る可能性があるという。

VAが補償要求を認めたのは他にあと2件だけである。

ひとつは1961年から1962年の間に沖縄で除草剤に被曝したため前立腺癌を発症した元海兵隊員で、彼は1998年に補償を認められた。

もうひとつは、別の海兵隊員の申立に関するもので、沖縄に駐留し、1970年代初頭に沖縄で、ヴェトナムから輸送されてきた汚染された機材を取り扱ったためにホジキンリンパ腫と2型糖尿病にかかったというものである。

NPO団体のヴェトナム戦争米退役軍人会でエージェント・オレンジ/ダイオキシン問題委員会の座長を務めたポール・サットンは、沖縄で除草剤被曝した元兵士すべてに対して、ペンタゴンが態度を軟化させ全面的な被害補償に向かうかどうかについて、疑問を呈している。

「米国政府は沖縄に駐留した退役兵の補償認可について、必死の抵抗を試みるだろう」とサットンは語る。

「そんなことをすれば、他国の政治国境線内に除草剤を保管しないという条約に違反したことになる。ワシントンはまた、沖縄での(エージェント・オレンジ)被曝認定を勝ち取るため一歩踏み出して闘う元兵士はそんなに沢山現れないだろうことに賭けているのだ」。

20120415

沖縄の枯葉剤で新しい証言の報道

ジョン・ミッチェルさんの枯れ葉剤取材が、ジャパンタイムズの一面に掲載されました。
沖縄で浴びた枯葉剤を原因とする健康被害で、退役軍人省から補償を認定されたのは、これまでわずか3名のみです。
そのうちの1人が、証言しました。


Sunday, April 15, 2012

Okinawa bases stored toxic defoliant, ex-soldier says
U.S. vet pries lid off Agent Orange denials

By JON MITCHELL

Special to The Japan Times
JACKSONVILLE, Florida — Thousands of barrels of Agent Orange were unloaded on Okinawa Island and stored at the port of Naha, and at the U.S. military's Kadena and Camp Schwab bases between 1965 and 1966, an American veteran who served in Okinawa claims.


Larry Carlson
In an interview in early April with The Japan Times and Ryukyu Asahi Broadcasting Co., a TV network based in Okinawa, former infantryman Larry Carlson, 67, also said that Okinawan stevedores were exposed to the highly toxic herbicide as they labored in the holds of ships, and that he even saw it being sprayed at Kadena Air Base.

Carlson is one of only three American servicemen who have won benefits from the U.S. government over exposure to the toxic defoliant on Okinawa — and the first of them to step forward and reveal that massive amounts of it were kept on the island.

続きはジャパンタイムズのサイトでどうぞ!

済州島の海軍基地建設反対!国際連帯する署名>16日締め切り

済州島の連帯署名のお願いが届きました。日本語版のあと、英語版も転載します。

沖縄から連帯に訪問した人々が入国拒否されたりと、このところの韓国はこの問題でますます緊張感が高まっています。
賛同署名の送り先は以下です。

(送り先)
mingyo87@hanmail.net  (← ローマ字で、[姓名] [Japan] と送って下さい)




日時: 2012年4月15日 13:40:21 JST
件名: 16日(月)までの国際署名運動:済州島海軍基地建設反対

みなさまへ (転送歓迎)
韓国の「民主社会のための大学教授全国連盟」(仮訳)が、済州島の海軍基地反対闘争のための署名運動への賛同を国際社会に呼びかけています。声明文は、英語・日本語・中国語・ドイツ語に翻訳され、2週間で800の署名が、著名人を含み各国から集まっているそうです。
期限は明日、4月16日までです。 集まった署名は、4月19日、韓国での記者会見で公表されます。
日本からも、多くの賛同が届くよう、お願いいたします。 この声明は、連帯する国際的な市民グループにより出されているようですから、各自メンバーの自国に対する要求が、やや激しい口調になっているのではないかと思われます。ご理解よろしくお願いいたします。
(送り先)
mingyo87@hanmail.net  (← ローマ字で、[姓名] [Japan] と送って下さい)


(日本語版)
済州海軍基地建設の中断と東アジア平和を求める世界市民の声明
 
 2012年、韓国の李明博政府および海軍は、済州道民を含む韓国民のたび重なる要請にもかかわらず、済州海軍基地建設を強行している。世界的に美しい名所として数えられる済州島クロンビ岩が爆破されるたび、済州道民と韓国民は政府と海軍の独断と詐欺と野蛮に怒っている。
李明博政府は絶対保存地域の指定を無断解除するなど、あらゆる不法と脱法をほしいままにしている。すでに海軍基地の設計上の問題点が技術検証を通じて明らかになったことで、民軍複合観光美港という主張が嘘であることが暴露された。それにも関わらず李明博政府は、何ら問題がないと強弁しながら国民を最後まで欺瞞している。
 特に韓国の国防部はクルーズ船が2隻同時入港できる民軍複合観光美港を建設すると済州道民を説得した。しかしシミュレーションを通じてクルーズ船2隻が同時に入港することが不可能だということが暴露されるや、もう一つの嘘をついて欺瞞しようとしている。すなわち『昨年末を基準にして全世界で運航中のクルーズ船345隻のなかで15万トン級は5隻に過ぎない』、『15万トン級船舶2隻が同時に済州に入港する確率は希薄』だとして国民のまえに自らの嘘を糊塗している。
兵器があるところ殺傷と戦争がある。平和の島、済州に軍港を建設し、爆弾とミサイルが搬入されれば、東北アジアの軍事的バランスは崩れ、自然に緊張が高まる。 万一、戦争が発生すれば、東アジア全体は戦争危機に置かれ、済州島は島全体が火薬庫になる可能性が大きい。
済州のクロンビ岩とその一帯の海と海岸は美しい景観をなす天恵の観光地であり、東アジア人がともに享受しうる生態保存地域である。済州には希少動植物が生息しているのでユネスコは2002年にユネスコ生物圏保存地域に指定した。韓国政府も2004年に文化財庁の天然記念物保護区域だと公布した。また2004年10月、済州道は形状変更が事実上不可能な絶対保全地域に指定された。特に、クロンビ岩の海岸は20ヶ所以上の湧泉水が湧き出ているので住民にとって無くてはならない生活の場である。
このような価値を認識した済州道民と韓国民は、声を合わせて海軍基地建設の中断を要求し抵抗してきた。しかし李明博政府は2010年以降の2年間に329人を逮捕・連行した。政府は特殊部隊まで動員して民間人を暴行するなど、組織暴力団と何ら変わらない蛮行を犯している。また政府は農道の廃止と関連して西帰浦市長を脅迫し、クルーズ船舶の出入り港技術検証委員たちに圧力をかけるなどの職権濫用もほしいままにしている。
韓国民は李明博大統領に5年の統治権を与えたのみであり、国を自分の好き勝手に独断してもよいという超越的特権を付与したことはない。海軍基地建設の強行は、世界的価値を持つ済州の自然を復元できないところにまで破壊しつくす重大事であるのみならず、東アジアの平和を破壊する主犯となるだろう。
よって、済州島の自然と生命を大切に思い、東アジアと世界の平和を愛する世界市民たちは、次のように強く要求する。
1.李明博政府は、脱法・不法の済州海軍基地工事を直ちに中断せよ。
2.韓国の政治圏は李明博政府の国民欺瞞と人権じゅうりん事件の真相を究明するための国政調査実施、および特別検事制導入をただちに推進せよ。
3.ウ・グンミン済州道知事は済州道の首長として埋め立て免許取り消しなど、工事を中断しうる全ての行政的・実質的な措置を取れ。
4.米国政府と米軍は済州海軍基地建設の真実を明らかにし、東アジアと世界の平和を脅かす軍事覇権主義をただちに撤回せよ。
5.日本政府は済州道と日本の平和を脅かす済州海軍基地建設に決して協力するな。また日本の軍国主義的態度を反省せよ。
6.ドイツとカナダの良心的市民たちは世界平和を脅かす済州海軍基地建設の中断を要求する平和運動に積極的に参加せよ。
2012年3月20日
平和と自然を愛する韓国、日本、米国、カナダ、ドイツの市民一同
(賛同署名)
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[Fwd: Urgent] Please sign: International petition for Jeju struggle: Due date is by April 16

Please sign and spread around. The National Association of Professors for Democratic Society (http://www.professornet.org/) calls the international friends for the petition for the Jeju Struggle. The group will have a news conference with the signs in the morning of April 19. In two weeks, 800 internationals including many prominent intellectuals have joined the sign. Please find English, Japanese, Chinese, German language versions in the attachments. Thanks so much in advance. Sung-Hee Choi

Signing period: Until April 16th

Name (Print & Signature)/ Nationality/ Occupation/ Email Address

Signing period: From today until April 16th

Please send international signatures to: mingyo87@hanmail.net
........................................................................

Please send international signatures to: mingyo87@hanmail.net
.......................................................................

Stop the Jeju Naval Base Construction:
An Urgent Call for Global Support to Restore Justice in South Korea and
Preserve Peace in East Asia

Despite sustained protests by local citizens and increasing international criticism, the South Korean Government and its Navy have recently begun blasting parts of a treasured world-heritage site on Jeju Island in South Korea in order to proceed with the construction of a naval base, a military project that also threatens peace in the wider East Asian region. The naval base construction has set off popular turmoil in response to its destructive blasting of the Gureombi coastline, located at a site of exceptional historical and geological significance in Jeju, which is recognized globally for its exquisite natural beauty and unique biodiversity. Each time an explosive blast detonates at Gureombi, the South Korean Government and Navy betray their fundamental responsibility of environmental stewardship with ruthlessness and dishonesty, which have infuriated Korean citizens, drawing further condemnation from concerned observers all over the world.

The South Korean Administration under President Lee Myung-Bak has acted unlawfully and illegitimately by proceeding with this naval base construction despite Gureombi’s inclusion in the “Absolute Preservation Zone,” an area strictly protected from development by South Korean legal regulations. The Lee Administration has attempted to justify the construction by ostensibly removing Gureombi from the Absolute Preservation Zone, but this exclusion occurred without due process and against the wishes of a majority of Jeju residents and other Korean citizens. The Lee Administration has also tried to garner support by claiming it would develop the area into an attractive military-civilian tourist port, but a technical assessment of the plans for the naval base exposed serious flaws in the design that gives the lie to the government’s claims. Nevertheless, the Lee Administration continues to deny the existence of such design problems in a deliberate attempt to deceive the public and to downplay the enormous damage it is inflicting on both the natural environment and the regional conditions for peace.

There is every reason to believe that the South Korean government is building this base in collaboration with the U.S. government and military, given the Mutual Defense Treaty whereby "the Republic of Korea grants, and the United States of America accepts, the right to dispose United States land, air and sea forces in and about the territory of the Republic of Korea as determined by mutual agreement." If constructed, the naval base will be used to project U.S. power in the region, especially as part of a strategy to contain China, in alliance with Japan.

Where there are weapons, there are killing and war. The construction of the Jeju naval base cannot help but disrupt the military balance in the region, exacerbating existing tensions, and greatly increasing the possibility of war, one that could quickly engulf the entire region and perhaps the world.

The shores and coastline at Gureombi comprise a celebrated ecological preservation zone and scenic tourist destination, where people from throughout East Asia and the world can together appreciate the extraordinary beauty of the natural environment. Although UNESCO designated Jeju Island in 2002 as a Biosphere Reserve, the island has a fragile ecology where flora and fauna still face the danger of extinction. The South Korean government also declared Jeju as a Natural Heritage Protection Zone, a measure authorized by the Cultural Heritage Administration. In October 2004, Jeju Island was designated as an Absolute Preservation Zone by the South Korean Government, which prohibited any development or other changes that would alter the landscape. Furthermore, the Gureombi seashore is critically important to the islanders because that area includes several Yongcheonsu springs. These springs provide a precious source of water essential to the livelihood of Jeju residents, who face an insufficient water supply due to the island’s volcanic terrain.

Recognizing the urgent need to preserve the island’s natural environment, Jeju residents and people throughout Korea have been united in resisting the naval base, demanding that its construction be stopped immediately. These protesters have faced harsh suppression by the Lee Administration, which has mobilized special military forces to unleash outrageously violent assaults and attacks on the resisters. The South Korean government is therefore implicated in these brutal acts that represent grossly excessive police force and human-rights violations. In further abuses of power, members of the Lee Myung-Bak Administration have threatened criminal charges and administrative penalties against local Jeju officials who tried to defend the interests of island residents, while the South Korean government also pressured the Technical Assessment Committee to alter its projections so that falsified data would put the naval-base construction plans in a more favorable light.

The Korean people granted President Lee Myung-Bak only a 5-year period of governance, not the transcendental privilege to do anything he wishes, particularly when those actions will leave a legacy of irreversible environmental damage and military instability. The naval-base construction will not only irrevocably destroy the beautiful ecology of Jeju but also dangerously undermine the peace of East Asia.

Recognizing the many critical interests at stake -- the invaluable asset of Jeju Island’s natural ecology and biodiversity; the importance of upholding the rule of law and the rights of Jeju residents and other Koreans; and the necessity to protect peace in East Asia and the world -- concerned citizens from all over the world urgently demand the following:

1. The Lee Myung-Bak Administration must immediately cease the illegitimate and illegal construction of the naval base in Jeju Island.

2. We call for South Korean Congressional and Special Prosecutor investigations to probe the serious accusations of fraud and human-rights violations that have been widely alleged against members of the Lee Myung-Bak Administration in connection with the naval-base construction.

3. The Governor of Jeju Province, Woo Geunmin, must take all necessary administrative actions to impede the naval-base construction, such as the cancellation of permits that were unlawfully secured to proceed with the project.

4. The U.S. government and military must acknowledge their support for and involvement in the construction of the Jeju naval base and end their militaristic policies, which threaten the peace in East Asia and the world.

5. The Japanese government must not collaborate in constructing the Jeju naval base, which threatens the peace and security of its own people, and must abandon its militarist orientation.

6. Conscientious citizens around the world must actively mobilize their peace movements to demand the stoppage of the Jeju naval base construction, which threatens the peace of the world.

Concerned citizens from all over the world who are committed to peace and the preservation of nature



April 2012

Signing period: From today until April 16th

Please send international signatures to: mingyo87@hanmail.net

Stop the Jeju Naval Base Construction:
An Urgent Call for Global Support to Restore Justice in South Korea and
Preserve Peace in East Asia

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Signing period: From today until April 16th

Please send international signatures to: mingyo87@hanmail.net

민주화를 위한 전국교수협의회
www.professornet.org
우리는 교육과학기술부가 서울대학교 정치외교학부 김세균 교수에 대해 징계 절차를 밟고 있다는 소식을 접하고 심히 개탄하면서 이를 즉각 철회할 것을 강력히 촉구한다. [ 2012/04/09 ]

20120413

環境総合研究所から枯葉剤問題の意見書

 発表されていた!
池田こみちさんによる解説
>沖縄BDによる紹介「枯れ葉剤問題意見書~市民参加を考えるみんなに読んでほしい提言」

池田こみち「米軍による沖縄県内における枯葉剤問題への適切な対応についての意見書」環境総合研究所2012年3月14日。(PDFをここからDLできます

「4-1問題解決の道筋」から「(2)目標を達成するための方針」(pp.23-24)を以下に転載する。

(2)目標を達成するための方針(シナリオ:Scenario)
 2007年に北部訓練場で枯葉剤が散布された可能性があるという報道があったが、米国政府が事実関係を照会した防衛施設庁と外務省に対して、2007 年 7 月 13 日までに枯葉剤使用を裏付ける情報はなかったと回答し、両省庁がこれを受け入れたことによりこの問題はすぐさま沈静化した。また、2011 年にJM氏がジャパン・タイムス紙において問題提起をした後も、沖縄県内では 多くの報道がなされたにもかかわらず、東日本大震災の後だったこともあり、全国紙・主要メディアではほとんど取り上げられることもなく、極めてローカルな問題にとどまっているのが実態である。
 しかし、沖縄県内における枯葉剤問題は、過去のことではなく、現在も続いている沖縄県内の米軍基地に依拠する環境問題を象徴する問題であり、日本全体の問題として国民全体が関心を持ち、行動していくことが求められる問題である。したがって、まずは、広く情報を日本全体で共有化し、問題解決に向けた取り組みを盛り上げていく必要がある。
 また、この問題は、ヴェトナム戦争当時、その有害性について何も知らされず沖縄で枯葉剤に晒された米兵、散布実験や廃棄、投棄などに関連して直接、間接に枯葉剤など有害物質に曝露した可能性のある沖縄県民の双方にとって共通するリスクを内包しており、双方の市民レベルの連携による問題解決が可能なはずである。
 例えば、以下のような方法が考えられる。
1)沖縄における枯葉剤問題をわかりやすく日本全体に向けて発信していく。
2)枯葉剤に曝露したことにより健康被害を受けている米退役軍人やその家族などともゆるやかな連携をとりながら、情報の継続的な交流を行い問題解決に向けた協力を継続していく。
3)関係市町村が複数あり、それぞれが抱える問題が異なっているために、ともすれば市町村がばらばらな対応をしてしまう可能性があるが、関係市町村は基礎自治体として相互に連携し、沖縄県、日本政府、米政府に対して、継続的に情報の開示・提供をもとめ、その結果を広く市民と共有しながら、市民とともに闘う姿勢を明らかにしていく。
4)市民レベルでも枯葉剤問題、ダイオキシン問題についての基礎的な情報の共有化、学習の機会をつくり、情報発信を継続していく。
5)その一環として、市民の立場からの調査についても検討を行い、必要な資金調達についても経営的なセンスを持ちながら各方面への働きかけを行っていく。
6)第三者の専門家などの支援を受けながら、信頼できる情報発信に努める。
7)韓国政府の対応や、韓国に対する米政府の対応などについての情報収集を行い、韓国側の市民サイドとも可能なら連携を取り、同等の対応を日本政府、米国政府に求めていく。

 意見書は、市民による参加・問題への積極的な介入が非常に重要であることが繰り返し強調されている。それはまさに、ジョン・ミッチェルさんと沖縄BDが目下取り組んでいることで、そこからさらに一歩進むにはどうすればよいのか、その方法が問われている段階だ。この意見書は、専門家による「方法」解説書の体裁をとっているが、この意見書そのものが、上記で言われている「方法」を実践しているのでもあるのだ。市民運動、住民運動のマニュアルとして熟読し、実践そのものとして多くを学び取りたい。

20120412

普天間でFA18ホーネット縦横無尽、ボノム・リシャール佐世保入港、イオウジマから飛び立ったオスプレイ墜落

新年度を迎えた宜野湾の空を連日、戦闘機や哨戒機が轟音を撒き散らしている。ヴァージニア州ヴァージニアビーチで民間アパートに墜落炎上したばかりのFA18ホーネットと同型が宜野湾の空を縦横無尽に低空飛行している。
墜落同型のFA18が普天間飛来『琉球新報』2012年4月10日
FA18機墜落 飛来差し止め事故抑止を『琉球新報』2012年4月10日
入学式当日に112デシベル 宜野湾市が防衛局に抗議『琉球新報』2012年4月12日

4月9日には、オスプレイを艦載できるように改造された強襲揚陸艦「ボノム・リシャール」が佐世保に入港した。これを受けて、昨夜のQABは「検証動かぬ基地」を報道している。
「検証動かぬ基地vol.107 オスプレイ配備 マスタープランの裏側」QABステーションQ、2012年4月11日
1995年の米兵レイプ事件をSACOの起点とする詐術について明らかにした渾身のレポートを見て、危機感を募らせたばかりの今朝、今度は「モロッコでオスプレイ墜落」の報道。
「モロッコでオスプレイ墜落、4人死傷」『沖縄タイムス』2012年4月12日 11時00分
「オスプレイ墜落、4人死傷 モロッコで米海兵隊」『琉球新報』2012年4月12日
米オスプレイ墜落、4人死傷 モロッコ『日本経済新聞』2012年4月12日12:32
ボノム・リシャールと同列の揚陸艦「イオウジマ」(なんちゅう命名!)から飛び立ったオスプレイが墜落したこと、モロッコ軍との合同演習「アフリカの獅子」作戦が行われている最中でのことなど、元ネタのAP通信の配信記事からもう少し詳細の事情が伺える。
2 US Marines killed, 2 injured in MoroccoBy PAUL SCHEMM, Associated Press.
RABAT, Morocco (AP) — Two U.S. Marines were killed and two severely injured in the crash of a hybrid aircraft in Morocco on Wednesday, officials said.
The Marines were taking part in joint U.S.-Moroccan military excercises located in the south of the country based in Agadir, said U.S. Embassy spokesman Rodney Ford in Rabat, who gave the toll.
Capt. Kevin Schultz, a Marine spokesman at the Pentagon in Washington, confirmed that the aircraft involved was an MV-22 Osprey, which takes off and lands like a helicopter and flies like an airplane. The aircraft was participating in a U.S.-Moroccan military exercise known as "African Lion."
The Osprey was flying from the amphibious assault ship USS Iwo Jima, a defense official said, speaking on condition of anonymity because the matter is in the early stages of investigation.
The annual exercise which began in 2008 runs from April 7 to 18 and involves 1,000 U.S. Marines and 200 soldiers, sailors and airmen. They were working with some 900 Moroccan soldiers.
According to the U.S. Marine website, the exercise involved "everything from combined arms fire and maneuver ranges, aerial refueling and deliveries of supplies, to command post and non-lethal weapons training."
The main unit involved in the exercise is the 14th Marines, a reserve artillery regiment based in Fort Worth, Texas, but also includes members of the 24th Marine Expeditionary Unit based in Camp Lejeune, North Carolina.
The goal of the exercise is to train the two countries' forces to work together.
Further information about the crash was being withheld until the next of kin of the killed and injured Marines were notified, said Rodney Ford, spokesman of the U.S. Embassy in Rabat.
The MV-22, a joint venture of Boeing Co. and Textron Inc.'s Bell Helicopter, is designed to carry 24 combat troops and fly twice as fast as the Vietnam War-era assault helicopters it was to replace.
The Osprey program was nearly scrapped after a history of mechanical failures and two test crashes that killed 23 Marines in 2000. But development continued, and the aircraft have been deployed to Iraq.
While the General Accounting Office questioned the Osprey's performance in a report last year, the Marine Corps has called it effective.
An Air Force version of the aircraft crashed in Afghanistan in April 2010, killing three service members and one civilian contractor.
AP correspondent Lolita Baldor contributed to this report from Washington.
Copyright © 2012 The Associated Press. All rights reserved.

ラバット、モロッコ(AP通信)---水曜日にモロッコでハイブリッド航空機の墜落により米海兵隊員2名が志望、2名が重傷したと公式発表があった。
発表したラバットの米大使館報道官のロドニー・フォードによれば、海兵隊はモロッコ南部アガディールを拠点に米・モロッコ軍事演習に参加していたという。
ワシントンのペンタゴンでは海兵隊報道官ケヴィン・シュルツ大尉が、事故機はMV-22オスプレイであるとした。これはヘリコプターのように離着陸し、航空機のように飛行する機種である。事故機は米・モロッコ軍事演習「アフリカの獅子(African Lion)」に参加していた。
国防省関係者は、調査の初期段階にあるとして匿名で、オスプレイは揚陸艦USSイオウジマから飛び立ったものだと語った。
2008年から毎年行われているこの軍事演習は、4月7日から18日まで、1000名の海兵隊員と200名の陸・海空軍兵が参加し、900名のモロッコ軍兵と行っている。
米海兵隊Webサイトによれば、演習は「部隊、火器、作戦分野、空中給油、補給輸送から、指揮所、非殺傷兵器までのあらゆる総合的な」内容である。
中心的な部隊は、テキサス、フォートワースの第14海兵隊師団砲撃連隊予備隊であるが、ノース・カロライナのキャンプ・レジュネーの第24海兵隊進攻部隊の兵員も含まれている。
演習の目的は二国の軍事協同行動の訓練である。
ラバットの米大使館フォード報道官によれば、事故の詳細情報は死傷した海兵隊員の近親者への通報まで留められる。
MV-22は、ボーイング社とテクストロン・インク・ベル・ヘリコプターの共同開発事業で、24名の戦闘員を搭載し従来の2倍の速度で飛ぶもので、ヴェトナム戦期の攻撃ヘリコプターと交換される予定の機種である。
オスプレイ計画は、機械的な故障と2度のテスト飛行での墜落で23名の海兵隊員が死亡した2000年の事故のあと、廃止寸前だった。だが、開発は継続され、イラクにも配備された。
米会計検査院(GAO)は昨年、オスプレイの有効性について疑問を報告したが、海兵隊は効果的であるとしてきた。
空軍の同型機は、2010年4月、アフガニスタンで墜落し、3名の兵士と民間人1名が死亡している。
ワシントン、AP特派員ロリータ・バルドー。
(すみません、軍事用語はまったく専門外でして・・・)


今日は、1996年の普天間返還合意から16年目の4月12日。

20120410

4月11日、デモで怒りと平和を県庁前から!

「軍事緊張を招くPAC3ミサイル発射反対!沖縄を戦場にするな!怒りの県民集会(仮称)」
日時:4月11日(水)午後6時
場所:県庁前県民ひろば
午後7時から国際通りデモ行進:思い思いのパフォーマンスで戦争反対を訴えていきましょう。
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東村高江の有機野菜の島らっきょう。即座に、ケーテ・コルヴィッツの「母たち」を想起しました。大所高所から「安全保障」とゴチックフォントで押しつけられるようなものではない、こういうのが沖縄の平和の温め方じゃないかな。

PAC3、便乗型軍事展開、クレクレタコラ、主体的な安全保障?

4月2日の『沖縄タイムス』からいくつか拾っておいた記事。

これ以外は、地元紙で識るオキナワblogで、PAC3関連の記事がフォローできる。
「PAC3沖縄配備?」2012年3月22日
「この大げさな対応の異常さに気付かない国民」2012年3月31日
「便乗型軍事演習にすっかり乗せられた国民」2012年4月4日
「「攻撃対象地域・沖縄県」(総務省・消防庁) 許されぬミス」2012年4月6日
「「ミサイル迎撃」狂騒曲」2012年4月7日
「PAC3は地ならし 米軍に取られ自衛隊に取られる先祖の土地」2012年4月9日
「便乗型」とタイトルに付けた「地元紙で知るオキナワ」は非常に的確。ナオミ・クライン『ショック・ドクトリン』でdisaster capitalismに「惨事便乗型資本主義」との訳語を充てていたことへの素晴らしいcall & response となる。
いまだに安全保障が軍事一辺倒で語られる旧来の「リアリスト」たちと、その手に載っちゃうマスメディアはもはや病膏肓ということでは、ある。それ以外にポイントはたとえば
1)衛星にPAC3、役に立たなくね?
2)米軍がPAC3持ってたんじゃね?あれどうなったばー?
3)「有事」を演出した自衛隊の展開訓練に利用された。あれですね。「トモダチ作戦」の手法を自衛隊がパクッたんですね。
4)グアム移転費上乗せや普天間補修費8年分の米軍ジャイアン、クレクレタコラとも併行して起こっている。
5)沖縄県内からのがれき受入れ大合唱とも併行して起こっている。沖縄も日本なんですと自傷的に取りすがる悲惨。
など挙げられるだろうか。
ところで、去った3月31日の平和市民による新崎盛暉さんとの学習会で、日本には主体的な安全保障観が不在だということが言われていた、と参加した友人が話していた。曰く「では沖縄はどうしたいのだろう。沖縄の主体的な安全保障とは何だろうか、という問いが次に待っているんじゃないのか」と。

この友人の問いには、そもそも地域の安全保障における「主体」とはなにか、という根底からの批評と併せて、応答する必要性がある。それを感知すべき事態としてあるのが、沖縄県の「地域安全政策課」 発足とその報道だろう(地元紙で識る沖縄blog「沖縄県に「地域安全政策課」スタート」2012年4月2日にも紹介アリ)。発足させた仲井真県政は、ワシントンに事務所を設置してアメリカと直接つながりたいということを切望しているようにしか見えない。東村高江のヘリパッド建設を進める意向を堅持したまま。そして今回のPAC3配備と自衛隊の先島展開を歓迎している。こともあろうに、県庁への自衛官常駐を受け容れた

4月2日のタイムス社説「[県地域安全政策課]独自の安保観醸成せよ」は、このスジで読むべき内容となっている。

「ただ、そのためには県独自の安保観を構築することが不可欠だ。米国の軍事の論理に、いかに器用に対応していくか、という小ぶりなスタンスでは「全ては米国次第」となる。それでは、米国の都合に振り回される日本政府の後を追うことにしかならない。」

「沖縄防衛局は「辺野古移設」に前のめりになるあまり、民意を敵視するかのような異常な行動原理が顕在化している。東村高江のヘリパッド問題では、住民を訴える愚挙に出た。その横暴ぶりは「どこの国の政府機関か」と疑いたくなるほどである。」

「 同課の設置、運営には当然コストがかかる。税金を投入する以上、住民の利益に寄与することが厳しく問われる。そのためには、常に住民自治を優先する立場から情報を活用し、政策に反映させる独創的な知恵が求められる。国家の論理に翻弄されず、国境エリアを抱える地域行政の視点を大事にしてもらいたい。
沖縄が置かれた安保環境を把握するには、米国だけでなく、中国など東アジア各国の動向や市民感情の機微をつかむ必要もあるだろう。民間や自治体外交の促進にもつなげる役割を期待したい。」

久茂地公民館を壊したいのはだあれだ?

かま猫はもうかなしくて、かなしくて頬のあたりが酸つぱくなり、そこらがきいんと鳴つたりするのをじつとこらへてうつむいて居りました。
事務所の中は、だんだん忙しく湯の様になつて、仕事はずんずん進みました。みんな、ほんの時々、ちらつとこつちを見るだけで、たゞ一ことも云ひません。
そしておひるになりました。かま猫は、持つて来た弁当も喰べず、じつと膝に手を置いてうつむいて居りました。
たうとうひるすぎの一時から、かま猫はしくしく泣きはじめました。そして晩方まで三時間ほど泣いたりやめたりまた泣きだしたりしたのです。
それでもみんなはそんなこと、一向知らないといふやうに面白さうに仕事をしてゐました。
その時です。猫どもは気が付きませんでしたが、事務長のうしろの窓の向ふにいかめしい獅子の金いろの頭が見えました。
獅子は不審さうに、しばらく中を見てゐましたが、いきなり戸口を叩いてはひつて来ました。猫どもの愕ろきやうといつたらありません。うろうろうろうろそこらをあるきまはるだけです。かま猫だけが泣くのをやめて、まつすぐに立ちました。
獅子が大きなしつかりした声で云ひました。
「お前たちは何をしてゐるか。そんなことで地理も歴史も要つたはなしでない。やめてしまへ。えい。解散を命ずる」
かうして事務所は廃止になりました。
ぼくは半分獅子に同感です。
宮沢賢治「猫の事務所---ある小さな官衙に関する幻想」より。

沖縄防衛局とか、沖縄県とか、那覇市とかにも、泣いているかま猫たちがいるに違いない。こんな事務所や会議室で、ぶ厚いファイルをひっくり返しながら大切なものを壊す決定が次々と下されている。でも金色のたてがみを持つ獅子は、到来しないから、おとなたちが大切なものを守ろうと頑張っている。

新沖縄子どもを守る会blog

沖縄オルタナティブメディア「久茂地公民館解体を止める座り込み現場中継(4月6日)」「戦後、貧困にあえぐ沖縄の子どもたちを支援しようという思いと寄付金で建設された少年会館を、那覇市が一方的な財源運用のために撤去解体する工事に、3日着手した。このことに抗議する市民が解体阻止のための座り込みを始めた。」