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20200621

Black Lives Matterへの連帯声明
(日本語版)

沖縄の「合意してないプロジェクト」からBlack Lives Matterへの連帯声明


 沖縄の「合意してないプロジェクト」は、米国や世界中で構造的人種主義(systemic racism)に反対して戦い続ける黒人と非黒人のすべての抗議者に連帯を表明する。私たちはまた、「Black Lives Matter運動」 と「Defund the Police運動」にも連帯する。私たちは現在も進行中の米軍による沖縄の軍事化に反対して長年活動してきた市民、アクティヴィスト、知識人として、あらゆる形態の軍事化された暴力を非難する。この軍事化された暴力は、米国内でジョージ・フロイド、ブリオナ・テイラー、アフマド・アーベリー、デビッド・マカティー、その他多くの人びとを殺害した警官たちの警察権力であり、それは同時に沖縄の辺野古と高江で新米軍基地建設に抗議する人びとを文字通り窒息させてきた日本の警察、海上保安庁、米軍によって行使されてきた暴力でもある。私たちも、警察の残虐行為や軍事的抑圧のない世界で「呼吸」したい。

 私たちは、帝国主義が歴史のなかでその姿形を変えながらも、常に国内外の人びとを分断し、階層化し、差異化した上で支配するために、いかにして人種的諸カテゴリーを生み出してきたかを知っている。警察がミネアポリスで新型コロナウイルスのせいで職を失った元警備員の方を窒息死させたとき、全米に広がった抗議活動を威力と侮蔑的な暴言で弾圧したとき、あるいは沖縄の米軍施設の建設現場で地元の抗議者に人種差別に満ちた言葉を吐き、彼・彼女らのあばら骨を折ったとき、人種化の空間に生と死を分かつ線が引かれ、引き直されて来たのである。直ちにこれを止めなくてはならない。

 米国警察が「自国」の領土においてあたかも占領軍のように立ち振る舞う今日、私たちは再度、国内の警察権力による取締りと国外の戦争の両方の根底にある人種主義の廃絶を要求する。私たちは、国家に是認された暴力の形態から脱投資し、教育、医療、手頃な価格の住宅などの生に必要不可欠なインフラに再投資するあらゆる努力を支持する。

 私たちはまた、言葉やイメージの批判的な力が真実であることを何度でも言おう。それだけではもちろん十分ではない。しかし、私たちが分析し創り出す言葉やイメージは、これまで押し殺されてきた私たちの深い悲しみや激しい怒りを導く回路となって、人種主義の空間に抗い生の空間を拡げるための感性を養うだろう。

 人びとが団結して立ち向かうこの歴史的瞬間に、かつての黒人兵士と沖縄の人びとの反戦連帯の波が私たちの現在の瞬間へと再び押し寄せる。沖縄がベトナム戦争の最中に米軍によって占領され直接統治されていた1960年代から70年代初頭の時期にうねったその波が再び押し返すのである。私たち「合意してないプロジェクト」は、共に生きられる「命の場」のために声をあげる世界中の人々と共にある。

(*)
 systemic raicismは、人種差別が構造・制度的な全体の問題として個人にも浸透し、埋め込まれていることを表している。構造的人種主義と訳した。
 Black Lives Matterは、「黒人の命は大切だ」、「黒人の命も大切だ」、「黒人の命こそ重要だ」などと訳されている。Black/Lives/Matterという英語の三語のもつ歴史性や多義性の表現を記録する目的で、本声明では英語のまま表記する。
 Defund the Police は、警察暴力を止める方法として、警察への資金提供を止めることを訴えている。警察組織自体の廃絶、自治体予算を他の公共サーヴィスへ向けるよう訴える主張もある。「警察への資金供給を減らせ」、「警察予算縮小」、「警察の予算凍結」といった訳がなされている。

日本語版
2020年6月21日