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20160830

ジョン・ミッチェル高江報道「道路封鎖、記者への妨害、沖縄の着陸帯をめぐる怒りの炎」

ジョン・ミッチェルさんの高江取材記事が出ていましたので、翻訳してみました。末尾にメモも書いてみます。

ジョン・ミッチェル「道路封鎖、記者への妨害、沖縄の着陸帯をめぐる怒りの炎」『ジャパンタイムズ』、2016年8月24日。
[原文]Jon Mitchell, "Roads blocked, press barred as tempers flare over landing pads in Okinawa," The Japan Times, August 24, 2016.
http://www.japantimes.co.jp/news/2016/08/24/national/roads-blocked-press-barred-tempers-flare-landing-pads-okinawa/

<写真2点のキャプション>
「沖縄県東村高江で、道路をブロックする抗議者たち。掲げている日本語の標示には「やんばるまもれ」と書いてある。」撮影:ジョン・ミッチェル
「警察が何カ所かで強行している道路封鎖のひとつ、沖縄県東村高江。抗議者を遠ざける目的。」撮影:ジョン・ミッチェル


【沖縄県東村】新たな米軍の着陸帯予定地で沖縄で人びとの怒りが高まっている。住民や記者らが語るのは、計画を推し進める日本政府当局の強圧的な手段に対する批判だ。

 先月、米軍は沖縄にある北部訓練場のジャングル約4000ヘクタールを日本の管理下に返還する準備をしていると発表した。発表のタイミングは、当地において引き続くアメリカ人の犯罪の後、地元の怒りを鎮めようという意図があるとの見方が拡がった。この犯罪のなかには、元海兵隊員を被疑者とする4月の女性殺人事件も含まれる。

 この発表からひと月が経過して、しかし、沖縄の怒りはかつて無いほど燃え上がっている。

 予定される土地の返還に東京とワシントン[日米両政府]が付け足した条件のほうに、住民は怒っているのだ。高江という、東村内にある人口約150名の居住区に新しく6基のヘリパッドを建設するというのがその条件である。直径75メートルになるヘリパッドのうち、2基はすでに完成した。しかし、村民は残るヘリパッドの建設を阻止すると決意しており、オスプレイを含む航空機の低空飛行と環境破壊の危険性がその理由として挙げられている。この一帯は、170種以上と言われる絶滅危惧種の棲息地でもある。

 7月に政府が建設作業を再開してからというもの、抗議者らは高江の道路に集まり、機動隊警察と激しく衝突している。警察による道路封鎖で、怒りの声を上げる抗議者、農家、観光客らの数キロに及ぶ交通渋滞が何時間も続いた。今週明けには、記者らが警察によって包囲拘束され、抗議行動の現場を直に報道させなかったことで、弁護士やマスコミ労組から報道の自由の侵害だと厳しく批判された。

 「ここはまるで戒厳令下のようです」、沖縄の抗議者の一人、宜野座映子は言う。「警察の数がとても多く、彼等が頻繁に暴力を振るっています」。

 抗議者たちは道に座り込み、入口ゲート前に車を駐車して、ヘリパッド工事現場に資材を運び込むトラックを阻止しようとする。警察がこれを排除する際に、抗議者たちには負傷者も出ている。

 月曜日には、衝突の後、2名の抗議者が病院で手当を受けた。救急車で現場から運び出された一人は、87歳になる平和活動家にして、第二次大戦の生存者でもある島袋文子だ。彼女は手を数針縫わなければならなかった。翌日には高江の抗議に戻るのを、誰も止めることは出来なかった。

 先月の発表時に米軍は、北部訓練場は「オスプレイやその他の航空関連機器 (aerial platforms) の作戦 (operation) と安全基準を遵守して」使用されると約束した。

 しかし、高江の地に暮らす住民は、そのような約束には懐疑的だ。

 「オスプレイは夜も我が家の上を低空飛行して、子供が眠れません。新しいヘリパッドが出来たら、事態は悪くなるだけでしょう」と、住民の安次嶺雪音は言う。軍用機の低空飛行による騒音は近年ますます酷くなっていると語る彼女は、隣村への移動を余儀なくされているという。

 防衛省の動きは、地元の怒りをさらに追加するだけだった。春に起こった米国人による犯罪がもたらした衝迫の後に、政府は住民を安心させるためとして沖縄に数十名の警備要員派遣を約束した。だが、その警備要員らは事件現場一帯に派遣されるのではなく、高江に、新しいヘリパッドの建設現場の警備目的で送り込まれてしまった。




【翻訳後のメモ】
 ジョン・ミッチェルによる高江報道、今回は冒頭から"public anger"と書き始めている。辞書などを引くと「国民的怒り」と訳されているようだ。「公憤」という語が日本語にはあるが、これとはまた少々異なるニュアンスがあるだろう。人びとに広く共有されている怒り、という意味と捉え、「国民」というのはいやなので、「人びとの怒り」と訳してみた。ミッチェルがこのように書き始めたのは、「みんな反対しているのだ」という、例えば次のような背景に裏打ちされているからだと思う。
●着陸帯反対、高江80% 賛成回答はゼロ 本紙が2区住民アンケート『琉球新報』2016年8月3日 05:04。
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-328340.html

 沖縄県内の新聞、タイムスと新報はかなり以前から「反対派」という語を使わなくなった。だが文脈を理解しないまま慌てて高江に着目し始めた内地の報道関係者の記事などで久しぶりに「反対派」という言葉を目にし、強烈な違和感を感じる。本記事でも、少し前に発表されたジョン・レットマンの高江の記事でも、"protesters"という言葉が選ばれているが、これを「反対派」と訳してしまっては、間違いだろう。高江blogに出ているレットマン記事の訳文を参考に、こちらでも「抗議者」という訳語とした。少々堅苦しい言葉だと思うけれど。
●Jon Letman "Fighting To Save A Remote Okinawan Forest: As helipad construction stokes tensions, a new wave of demonstrations flares up in Okinawa’s remote northern forests," Honolulu Civil Beat August 12, 2016.
http://www.civilbeat.org/2016/08/fighting-to-save-a-remote-okinawan-forest/

「これはまるで戒厳令下だ」。高江の現状が口々にそのように伝えられている。「まるで・・・ようだ」とはむしろ正確さを意識するあまり表現が自粛しているのではないか。法的根拠と手続きを経ない警察の暴力行使は、戒厳令そのものだ。沖縄北部の小村で、日本政府が戒厳令を敷いている。とてつもない危機にある沖縄に、パブリック・アンガーに駆られて、いっそう多くの人びとが足を運ばなければならないときなのに、みんな何をしているのだろうか、と思う。
 この危機を海外に伝えるための不可欠なトピックのひとつが、報道の自由の剥奪だ。報道が拘束されるのは、世界基準に照らしてとんでもない独裁政権下だということを英語で伝えたのは重要だ。琉球新報社説の英語版と併せて広く伝えられるべき。何しろ、日本の報道の自由についての危機的状況が、国連で特別報告者によって報告されたばかりだ。国際社会からの意見に耳を傾けない国の姿勢は、過去に歩んだ帝国日本の道程を彷彿させる。過小に評価する余地はない。
 タイムスと新報の報道はそれぞれ以下。
●沖縄タイムス記者も拘束 高江で取材中、機動隊聞き入れず『沖縄タイムス』2016年8月21日 14:28。
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/58488
●機動隊が記者排除し閉じ込め 東村高江 弁護士「報道の自由侵害」『琉球新報』2016年8月21日 05:04。
http://ryukyushimpo.jp/photo/entry-340617.html
●機動隊の強制排除、根拠説明なし 羽交い締め、記者の抗議聞かず『琉球新報』2016年8月21日 05:03。
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-340625.html
●高江の取材妨害を批判 信濃毎日、東京新聞 社説などで指摘『琉球新報』2016年8月24日 11:20。
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-343359.html
●<社説>高江で記者排除 報道の自由侵害を許さない『琉球新報』2016年8月22日 06:02。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-341336.html
● "Editorial: Removal of reporters in Takae violates freedom of the press," Ryukyu Shimpo, August 22, 2016.
http://english.ryukyushimpo.jp/2016/08/25/25637/

 また記事は、マスコミ労組が抗議したことに言及している。労働組合は組合加入率が減少傾向にあることだけを持って弱体化していると一般的に見なされている。組合関係者自身もそのように思い込んでいるフシもある。だが、大規模人数の動員だけが組合のチカラではない。労働組合という継続的な活動を通して、保障されているときには見失いがちな権利とは何か、どのようなときに侵害されていると見なすのか、その人文知を組織で保存継承しているのだ。そして、侵害されたと判った時には素早く対応する機能を備えた、法的にも根拠付けられた組織こそが労働組合だ。そのような機関としてのチカラが衰えていることのほうに危機を感知しよう。アメリカでアジア太平洋系労組APALAが、辺野古と併せて高江についても反対声明に採り入れていることを想起しよう。
 あらゆる労働組合単組は、高江について、自らの権利と結び付けた抗議声明を上げて沖縄の人びとの側に立つことを表明すべき時ではないか。建設業界の組合は、手続きを踏まない不正義の公共事業労働を拒否すると主張する時ではないか。国公労は公務員を守るため、これまで以上に継続的に、人びとの目に見える形で行動を起こして欲しい。
 辺野古と高江で繰り返されている暴力は、暴力を行使している側をも傷付け蝕んでいる。民間警備員は、同業者ユニオンからの支援を仰ぎ、自分たちの組合を真剣に考える時だと思う。そして警察も機動隊も「先進国」並に組合を結成すべきだ。あなたたちの人権が侵害されているのだ。
 マスコミ労組と新聞労連の声明の全文は以下で読むことが出来る。
●沖縄マスコミ労組が声明 : 東村高江のヘリパッド強行建設と報道の自由侵害に抗議『レイバーネット日本』2016-08-24 23:02:59。
http://www.labornetjp.org/news/2016/0824seimei
●Kyodo, "Okinawa media union protests forcible removal of reporters," Japan Times, Augusut 23, 2016.
http://www.japantimes.co.jp/news/2016/08/23/national/okinawa-media-union-protests-forcible-removal-reporters/#.V8RjNJPhCRu

 ところで、今回のミッチェル高江報道記事は在日米軍が行った発表と併行して事態を読むようにと促すものになっている。具体的な「先月の発表」のことについて報道された記事として、まず以下を参照されたい。

●在日米軍司令部「4千ヘクタール返還へ準備」 沖縄・北部訓練場『沖縄タイムス』2016年7月30日 07:00。
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/54991
 ここでは、ロイター通信による配信を、平安名純代記者が解題しつつ次のようにまとめている。
 在日米軍司令部は29日、北部訓練場の返還計画について、約4千ヘクタールの部分返還の準備が進められているのを確認したと発表した。返還は、同訓練場内での6カ所のヘリコプター着陸帯と接続道路の移設が条件と強調している。 
 ロイター通信は同日、在日米軍副司令官のシロッティ海兵隊少将が「訓練を他の既存区域内に統合するため、いくつかのヘリコプター着陸地帯を建設することで、約4千ヘクタールの土地返還が可能になったとのコメントを発表した」と報じるとともに、「この計画が実行されると、米政府管理下にある沖縄県内の土地は17%削減される」と利点を強調した。
 在沖海兵隊のトップ、ニコルソン中将は先月18日、県民大会の前日に応じた同通信社とのインタビューで、「来年初めに北部訓練場の一部を返還する用意がある」と述べ、ヘリパッド移設は着工後、約2カ月で完成するとの見解を示していた。

●<高江ヘリパッド>来春までに完成へ 日米の狙いは【深掘り】『沖縄タイムス』2016年7月19日 10:04。
 こちらは、それより少し前のタイムスの論評。日本政府が来年3月までに完成との方針を掲げているとした上で、その背景として次のように続けている。
 日本政府と足並みをそろえるように、米側からもヘリパッド建設に向けた踏み込んだ発言が出始めた。6月18日、ニコルソン米四軍調整官はロイター通信のインタビューで北部訓練場の一部を「来年初めに日本へ返還する用意がある」と発信した。元海兵隊員で軍属の男による暴行殺人事件に抗議する県民大会の前日。反米感情の高まりを背景に、「負担軽減」をアピールする狙いがあった。

ということなので、当然、6月18日のロイターの配信記事を探して読んでみる。
●沖縄の北部訓練場、来年初めに返還の用意=米海兵隊司令官『ロイター』 2016年 06月 18日 22:58 JST。
http://jp.reuters.com/article/okinawa-base-idJPKCN0Z40H1
 ニコルソン中将は、在沖縄米海兵隊の司令部キャンプ・フォスターで取材に応じ「日米間で協議している」と説明。「今年下半期に動きがあると期待している」と語り、ヘリパッド移設工事が始まる可能性に言及した。着工すれば、およそ2カ月で完成する見込みだという。同中将は、「1972年(の沖縄の日本復帰)以来、最大の返還になる」と強調した。
ロイターのWebサイトでは、普天間飛行場のでっかい写真が挿入されていて意味不明なのだが、それよりも意味ぃ〜なのは、ニコルソンという四軍調整官は工事再開や完成を予言するチカラでもあるのかな、ということだ。日本政府とグルになった予言詐欺でもなければ、すごい能力の持ち主ってことになるよね。ロイターはその予言をそのまま報道しちゃうのか。それよりも、どうして、着工から2ヶ月で完成するよう見込まないといけなかったのか。自社独自インタビューなら、ロイターはそのようにツッコミを入れるべきだったところだろう。米国議会の予算審議に向けた中間評価の締切が迫っているからなのか、締切直前のやっつけ仕事なのか、と。その米軍のプレッシャーをチャンスとばかりに戒厳令を敷いて、人の首を絞め突き落とし閉じ込め怪我を負わせ自然林を無許可伐採しているのが日本政府ということになる。つまらぬ予算確保のアピール(失敬かな)のために、独裁政権を手先にして人と森が潰されているが、米国市民社会はそれでよいのか、となぜ問わないのか。

 ともかく、その6.18ニコルソン発言を引用しながら、在日米軍副司令官チャールズ・シロッティ海兵隊少将なる人物が7.29記者会見した。それを、再びロイターが報道配信したのを、沖縄タイムスが報道した、というのが、先に挙げた7月30日のタイムス記事ということになる。7月29日のロイター報道を探して読んで見る。
●沖縄の北部訓練場、部分返還へ準備行っている=在日米軍『ロイター』2016年 07月 29日 16:44 JST。
http://jp.reuters.com/article/okinawa-base-idJPKCN1090PE
またしても、普天間飛行場の写真が挿画として使われている。えー、ロイターよ。。。
 この会見発表をロイター配信ではないソースから報道した社があった。「シロッティ」「北部訓練場」で検索してヒットしたのは産経新聞。末尾に「共同」とあるので、共同通信社の配信なのだろうが、記事の文字数も内容も、ロイターの上記のWebと比べても多い。ロイター日本語版の非常に簡潔なWeb報道では言及されていないのが、ニコルソン発言部分だ。さて、これをどう考えればよいのか。
●沖縄・北部訓練場の部分返還を準備 在日米軍が確認『産経新聞』2016.7.30 12:42。
http://www.sankei.com/politics/news/160730/plt1607300017-n1.html
 在沖縄米軍トップのローレンス・ニコルソン沖縄地域調整官は声明で「沖縄の人々の心情を尊重し、米軍の専有面積を縮小しなければならない」と強調。返還による部隊運用への支障はなく「新型輸送機オスプレイや他の航空機の安全基準に基づき訓練場を引き続き使用する」と説明した。(共同)

 回り道をしてしまった。ともかく、7月29日に行われたというこの記者会見、出席したのはいったい何社だったのか判らないけれど、在日米軍司令部(USFJ)はFacebookのタイムラインにわざわざ資料を上げてくれているので、これを通して、発表内用を知ることが出来る。FBはアカウント持ってないと見られない閉鎖的なものなのでここにはリンクしないけど勝手に探してね。ご丁寧にも、USFJは、日本語訳文を「参考文」と注意書きして付けている。
 ミッチェル記事は、英文で書かれているので、当然、英文の発表からの引用となっているわけで、ここはひとつソースに照らして、そのUSFJのFB文書から、引用された箇所の前後も併せて以下に転載する。ミッチェル記事が引用した部分は判りやすいように文字色を変えておく。

“This decreased training area on Okinawa will not deteriorate our commitment or our ability towards working with the Government of Japan and our partners in the Japan Self Defense Force in mutual defense of this country,” said Lt. Gen. Lawrence D. Nicholson, commanding general of III Marine Expeditionary Force and Marine Forces Japan. “Our capabilities to operate in the Pacific will remain consistent, even within a smaller space. We will continue to use this area respectfully within operations and safety requirements for Osprey and other aerial platforms. We have plans for many more SACO agreement and other returns to be implemented in coming years, because we are respectful of the feelings of Okinawans that our footprint must be reduced.”
第3海兵遠征軍兼在日米海兵隊司令官ローレンス D. ニコルソン海兵隊中将は「沖縄における訓練場の削減は日本の相互防衛において我々が日本政府およびパートナーである自衛隊と共に従事していくという確約と能力を低下させるものではありません。」と述べました。「我々の太平洋での運用能力は縮小された地域内においても一定に維持されます。我々はこの訓練場をオスプレイや他の航空機の運用、安全基準を遵守し継続して使用していきます。我々は米軍の足跡が削減されるべきであるという沖縄の方々のお気持ちを尊重し、数年以内に更に多くのSACO合意事項や他の返還を実施する計画があります。」

どうでしょう。いろいろ気になりませんか。気になってムズムズしませんか。「お気持ち」という訳語とか、"Okinawan"という語とか、作文した人も翻訳した人も、いろんな影響に曝されているのだなあと溜息が出てしまうが、それはさておき。
 ミッチェル記事を訳出するに当たって、この文章を見たので、二つの気になる語は原語を添えたという次第。具体的には以下の箇所。

「オスプレイやその他の航空関連機器 (aerial platforms) の作戦 (operation) と安全基準を遵守して」

 ひとつには、海兵隊が遵守(respectfully)するのは、自分たちの作戦と自分たちの安全基準であって、沖縄をリスペクトしているのでは全くない。そう読むならば、「オペレーション」という語は「運用」でも間違いではないだろうけれど、軍隊なんだから「作戦」のほうがその内実と意味を的確に示すだろう。このニコルソン発言は「これまでも、これからも、作戦に従って自前の基準でやらせてもらうよ」、と言っているのに過ぎない。その後に「米軍の足跡を削減すべしというオキナワンの気持ちを尊重(respectful)して」と続くが、沖縄では例えば県議会は「海兵隊の撤退」を決議した。こうした主張に真摯に耳を傾けず、未だに「削減」だと主張を薄め、面積だけの問題にすり替える態度を、私たちはリスペクトとは見なさない。
 そして、オスプレイの後に続く「エアリエル・プラットフォーム」という語。これを「他の航空機」と訳してしまうと、これも間違いではないが、「オスプレイや、これまでの航空機」のことだと読んでしまうのではないか。だが、多分、そうではない。この奇妙な軍事用語は、想像するに、無人航空機の軍事利用本格化とともに頻出しているのではないだろうか。エアクラフトという語の範疇に納まりきれない技術を大枠で言い表そうとする語として捉える必要がある。「もちろんドローンとか必要な機材も使うからね」、と言っているように読めるのだ。
 さらに、前後の文脈を併せて引用しておいたのは、「自衛隊と共に」という語が出現するからだ。北部訓練場の自衛隊視察は、6月の新聞報道で明るみになり問題視されているところだった。座り込みの人びとの多くが、自衛官の訓練を目撃してもいる。ところが驚き呆れることに、米軍ではもはや自衛隊の共同使用は当然の事実として取り扱われている。在日米軍のサイトは、6.18ニコルソン発言、7.29シロッティ会見に符丁するように、北部訓練場の一部返還にフォーカスしたページを作成し、次のように説明している(下線部と訳語は引用者による)。

The Northern Training Area, also known as Camp Gonsalves, is a 7,500 hectare stretch of largely undeveloped jungle land in the northern part of Okinawa prefecture, and is currently used by the U.S. military and the JSDF for jungle training.(北部訓練場は、キャンプ・ゴンサルベスの名でも知られ、7500ヘクタールの大半が未開発のジャングルの地で、沖縄県北部に位置し、現在、米軍と日本の自衛隊がジャングル訓練に使用しています。

 自衛隊の問題は、ミッチェルのタイムスへの寄稿によって明らかとなった英軍の演習の問題とも、併せて考えなければならない。なぜなら北部訓練場こそは、すでに2008年に、イスラエル、ドイツ、オランダ軍と自衛隊の視察が暴露されている場所なのだから。

●陸自特殊部隊が視察 米軍ジャングル戦闘訓練 将来は共同使用も?『琉球新報』2016年6月10日 12:00。
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-295511.html
●ジョン・ミッチェル特約記者「英軍兵が沖縄の米軍基地で訓練 本紙請求に英政府開示」『沖縄タイムス』2016年7月18日 11:11。
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/48541
●Jon Mitchell, "Training of British troops on Okinawa bases may violate Japan-U.S. Security Treaty," Japan Times, August 10, 2016.
http://www.japantimes.co.jp/community/2016/08/10/issues/training-british-troops-okinawa-bases-may-violate-japan-u-s-security-treaty/#.V8Rca5PhCRs

(2008年の報道は例えば以下)
●米独イスラエル軍、沖縄でのジャングル戦闘訓練を検討『AFP』2008年07月02日 09:50。
http://www.afpbb.com/articles/-/2412817?pid=3095981
●社説・外国軍の訓練 演習のメッカなどご免だ『琉球新報』2008年7月2日 09:37
http://ryukyushimpo.jp/editorial/prentry-133743.html

 北部訓練場で起こっていることは、日本政府と米海兵隊の共謀であり、他では実現できないやりたい放題の訓練場を確保しておきたいから、というご都合主義同士のデンジェラス・リエゾンだ。20年の失敗と失政の末に、こんな残酷な状況を沖縄にもたらしている。いっぽう海兵隊は、プランBと言わんばかりにオーストラリアのダーウィン、グアムと北マリアナ諸島にも訓練場を確保しようと躍起だ。海兵隊では、実弾を使用できる上陸訓練場の確保というのが、ひとつの課題になっているからだ。もちろんそれぞれの土地で、厳しい抗議者たちに直面している。米軍ではもはや実際の戦闘ではなく、「実戦さながらの訓練」「レディネス」で予算を遣い尽くしして資本の要求に答えることが目的と化しているとすら見える。そして米軍は状況が変われば、幼児が興味を失ったおもちゃを放ったらかしにするように基地を放棄し、掃除や後片付けなどしないだろうし、そうなれば(その時点ですでに合同演習で利用を始めている)自衛隊が演習に(引き続き)流用するということになるだろう。

 以上、ひとつの記事からご飯おかわり三杯いける、もとい、多くの引き出しが開いていくようなミッチェルの高江報道だった。引き続き注視したい。そして、どの引き出しを開けてみても、この暴力・謀略を許すことなどできない。引き続き、多くの人びとに高江に辺野古に向かって欲しい。伊江島にも向かって欲しい。公憤の炎を胸に宿す非暴力直接行動こそがリスペクトされるような空間にし、訓練場を、沖縄を、私たちの手で変えて行きましょう。



20160810

Facts about TAKAE > 80% of Takae residents disapprove helipad construction

"On helipads, 80% “disapprove” in Takae, zero answer for “approve”: Ryukyu Shimpo's survey" Ryukyu Shimpo, August 3, 2016.
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-328340.html
(an abridged translation by Project Disagree)

[Report by Team Helipad] Ryukyu Shimpo conveyed a door-to-door survey in the residential districts of Takae, Higashi Village and Aha, Kunigami Village, both are the locations to construct new helipads in the US Marine Corps Northern Training Area. On the question of approval or disapproval about the construction of helipads, in Takae, 80% answered “disapprove,” 20% chose the other options of  “neither” or “no idea”, and zero “approve”. In Aha, 52.5% answered “disapprove”, 5% “approve”, and 42.5% “other”.

Survey on New Helipads by Ryukyu Shimpo
District Question Approve/ Yes (%) Disapprove/ No (%) Other (%)
Takae
New helipads construction 0.0 80.0 20.0
It will reduce the burden 8.9 77.8 11.1
Training of Ospreys 0.0 82.2 17.8
Aha
New helipads construction 5.0 52.5 42.5
It will reduce the burden 17.5 55.0 27.5
Training of Ospreys 2.5 55.0 42.5

See also, Ayako Sakaguchi, "Takae, a village ward of 140: “Not a single person is in favor” of helipad construction," Ryukyu Shimpo, July 25, 2016.
http://english.ryukyushimpo.jp/2016/08/02/25525/

20160809

Facts about TAKAE > Noise and Low Frequency Noise by Ospreys

Noise and low frequency waves generated by MV22 Osprey severely harms the residents in Takae (this post is a partial translation of 高江ヘリパッド>騒音、低周波のこと).

In No Helipad Residents Society Blog, “How MV22 Ospreys fly in Takae,”
http://takae.ti-da.net/e8836074.html , a resident wrote (translated and quoted by Project Disagree)
“In Takae, two or three Ospreys fly in formation, through same path again and again for their training.”
“A 100 dB noise is said to be comparable to a horn of a car, but the noise of an Osprey is heavy bass sound and I feel my internal organs trembled."
“The data proved the noise events at that night, over 80dB happened 28 times in two hours. It means that the roar from the osprey shakes the whole house at night after 9pm, continuing in two hours and longer, at the intervals of  5 to 10 minutes."



Here, summarized from articles of Ryukyu Shimpo, one of the local newspapers in Okinawa, which covered the facts about the noise problems in Takae.

“Takae in June, counted noise events at night up to 383, increasing 24 times more, 8 times per day,” Ryukyu Shimpo July 20, 2016.
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-319557.html
●Okinawa Defense Bureau (a national bureau) disclosed the noise data after the Assembly of Okinawa Prefecture claimed it.
●Data of June 2016 in the district of Takae shows increase in comparison with the year 2014.
●Noise apparently intensified after the deployment of Ospreys to US Marine Corps Futenma Air Station in Okinawa.
▶Number of night-time noise events
 383 (June, 2016) > 16.2 (2014 average)
▶Number of night-time noise events per day
 32.8 (June, 2016) > 4.1 (2014 average)
▶Average Lden *
53.8 dB (June, 2016) > 39.5 dB (2014 average)
*Lden = the equivalent continuous noise level over a whole 24-hour period with noise in the evening (19:00 to 23:00) increased by 5 dB(A) and noise at night (23:00 to 07:00) increased by 10 dB(A) to reflect the greater noise-sensitivity of people at those times.


“100 dB noise level when three Ospreys training in formation in Takae,” Ryukyu Shimpo, July 15, 2016.
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-316947.html
●Takae residents investigated the noise generated from Osprey training at “N4” helipads with the support of a university expert.
●Sound level instrument was set near two new helipads called “N4,” in the vicinity of Takae residential area and only 300m from the prefectural road.
●Japanese government offered “N4” helipads to US Forces in February 2015 prior to the completion of the whole construction project. USMC used them for multiple Ospreys training in formation.
▶Max 99.3 dB, 80.9 dB/hour (June 20, 2016)
▶Max 96.8 dB, 79.0 dB/20 min (June 21, 2016)
▶Max 93.4 dB, 81.3 dB/5 min (June 23, 2016, prefectural memorial day for the Battle of Okinawa)

“77% ‘annoyed,’ 38% ‘scared of Ospreys,’ in survey of all the children in Higashi Village,” Ryukyu Shimpo, July 15, 2016.
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-316944.html
●A university expert conducted a survey among all the pupils and students in Higashi Village.
▶“Noise from Ospreys is scared, feel bad": 38%
▶“I have experiences to be annoyed by noise from helicopters and aircrafts when in school” : 77%
▶“I can tell Ospreys from the other aircrafts by their noise”: 81%
▶“Ospreys are noisier than the other aircrafts” : 82%
▶individual comments:
“It seems to fall down to me and scared.”
“I can’t sleep with the noise.”
“School class is suspended because of the noise.”
“It is scary when they fly low.”
“They fly noisy late at night like 10pm.”
“I feel scared when many aircrafts fly at once.”
“Sometimes I can’t concentrate on a class."

“Takae public school suffers high levels of low frequency noise, affected by the operation of the new helipads,” Ryukyu Shimpo, March 25, 2016.
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-245066.html
●In the absence of the public measures for the low frequency noise, Takae residents efforts provided the evidence by the specific data.
▶At the public school in Takae on Dec. 7, 2015 (1.7km from N4 helipads)
92.9 dB at 40Hz (14.9 points higher than the reference level set by the Ministry of Defense)
▶At the private office on February 25, 2015 (450m from N4 helipads)
88.3dB at 20Hz (12.3 points higher than the reference level of mental impact, 8.3 points higher than the reference level of physical impact, both are set by the Ministry of the Environment)

20160808

高江ヘリパッド>エセアセスの招いた結果、無断伐採60本でお咎めナシ

タイトルを書きながら、木を切って正直にそう言ったら誉められたという、どこかの国の大統領の幼年時代の逸話を思い出した。こちらは、本当にあった怖い話であるのみならず、さらに悪質。「ダメだよ」と言われたものを切って、正直にそう言ったら、「もっと切ってもいいよ」(*)ってなった。ぐわー。これでは監督官庁の役割を果たしたことにならない。みんなで止めましょう。
(*)タイムスの報道には、「清水署長は手続き上の事前協議が成立したため、確認した範囲を防衛局はいつでも伐採できると説明しつつも、「新たな伐採は中止してほしい」と要請していると話した」となっているので、「もっと切ってもいい」はさすがに誇張と怒られるかもね。

■あーあ、切っちゃった。元に戻せない。誰が責任取るの?
N4の工事で次々と木が伐採された後、とうとうN1まで。しかもN1作業道で起こっていることはもっと酷い。ダンプの前に立ちはだかる人のほうに正義がある。これ以上ダメだ、との意を強く持つためにも、酷いということをしっかり確認したい。前にまとめた、エセアセスが引き起こした結果として、さらに北部訓練場の強化案の問題として考えてみるために、三つの地図を並べてみる。



上手く並んだかな。
左から順番に、(1)(2)(3)と番号を振って出所は以下。
(1)平成27年度第7回沖縄県環境影響評価審査会資料
http://www.pref.okinawa.jp/site/kankyo/seisaku/hyoka/shinsakai/documents/h27_7th-shiryou.pdf
(2)ヤンバル典型種で予定地のメッシュ評価をした地図(2-73頁)
(3)N1地区の改変の程度を評価した地図(6-11-134頁)
いずれも「北部訓練場ヘリコプター着陸帯移設事業(仮称)環境影響評価図書」(2007年2月、那覇防衛施設局作成)を分析した「さい塾」のサイトから。
http://www.saijuku.jp/site/document_japan/index.html

(1)の地図は、N1作業道が明瞭に判る地図。この作業道の北端をN1オモテ(県道70号線と接している)、南端をN1ウラ(高江の農道と接している)と呼んでいる。東村と国頭村の村境の線に、おおよそ沿って続く古い山道を防衛局は「工事用道路」と称して、環境を改変せずに作業道にするのに数百名の機動隊を導入して着手した。

(2)の地図は、2007年2月のエセアセスから。最終的にヘリパッド予定地を絞り込んだ根拠資料のひとつ。森をメッシュに分割し、やんばるの貴重種をセレクトして順位を付け、どの種が出現したかでランキングをつけたもの。エセアセスではこれ以外にも基準を設けてランキングし、最後に「総合評価」を導き出しているのだが(その恣意性については後述)、この地図はその基礎資料のひとつ、ということになる。ちょっと判りにくいかもしれないけれど、N1予定地辺りと思われる緑に塗られたブロック(Dランク)の南北は、オレンジ(Cランク)とピンク(Bランク)に塗られている。今回、戒厳令状態を敷いて無断伐採した場所は、ヤンバル典型種の出現率の高い森だったということを示している。あーあ、やっちゃったねオキボ。

(3)で、どうしてこんなことになるのかという問題の根源がエセアセス。しかもN1作業道をアセスしていないというダブル詐欺に原因がある。それが簡単に判る地図のひとつとして並べてみた。N1の環境影響エセ評価が実施されたのが、着色されている範囲。「N1の予定地以外は改変しません」という体裁になっている。「砕石舗装」は、どこにあるのかも判らないくらい。しかも「林道」の北端と南端は、現在のN1オモテ、N1ウラまで達していない。エセアセスもしてない、ということがよく判ると思う。そして、その場所が、今、土足で荒らされている。

 こんなメッシュで科学の意匠をまとわずとも、N1座り込みを体験した人はみんな知っている。ノグチゲラ、ヤンバルクイナ、アカショウビン、アカヒゲ・・・鳥たちの楽園なのだ。

■メッシュの恣意性と70号線東側
(2)のマップをもう一度眺めて欲しい。緑のブロックで分断されているが、海側にピンクとオレンジのブロックの固まっている場所がある。県道70号線、東村高江と国頭村安波のそれぞれの農地改良地に挟まれて奇跡的に残されたやんばるの貴重種のサンクチュアリ。島の中央脊梁地帯とはまた異なる、生物多様性のホットスポットと言うべき森だ。
 予定地を絞り込む際のメッシュの恣意性については、「さい塾」が2011年に指摘している。シンプルに重要な点を指摘してくれている。ここではN4とGの恣意性について焦点化しているのだが、メッシュが何を重点評価するかという枠組みに疑問を投げかけることで、資料を読み直す姿勢は、N1作業道にも適用すべきだ。
さい塾「【高江】高江に関するさい塾の調査のまとめ」2011年04月06日
http://blog.goo.ne.jp/saypeace/e/354ecb2d3d8dbc5768f5d530d0c25568

 そもそも、森の価値を総合的にランク付ける際の基準、枠組みへの疑義は、2002年の県知事意見(当時は稲嶺恵一知事)でも提示されていた。
「北部訓練場ヘリコプター着陸帯移設に係る継続環境調査検討書に対する知事意見について」2002年(平成14年)10月11日。
http://www.pref.okinawa.jp/site/kankyo/seisaku/hyoka/tetsuzuki/documents/iken-8.pdf

 県道70号線東側、ここに新たなヘリパッドを使用したオスプレイの低空飛行と上陸訓練が集中することになる。N1座り込みテントからちょっと北上した場所にこの一帯を展望できるビューポイントがある。眺めたことがある人は思い出して欲しい。6基のヘリパッド計画は、高江の集落を標的にするだけでなく、このサンクチュアリを台無しにする。この一帯の高い価値を当初から認め主張してきたのは、やんばるの山の達人、玉城長正さんであり、奥間川流域保護基金運動の伊波義安さんであった。
 散々使い果たして汚した環境をポイ捨てして、これまで殆ど未使用だった残りの部分を新たに破壊していこうという海兵隊の欲望は、とてもあさましいものに見える。那覇の都心部に暮らす県庁職員らは、県道70号線が「復帰処理」の積み残しであり、島の一周道という安全保障の点からも、最優先で返還対象とすべきだという感性をどれほど持っているだろうか。
 高江を標的にするという問題だけではない。北部に対する格差の眼差しが、生物多様性のホットスポットをごっそり売り渡し、島の安全への感性を曇らせてきたのではないか。海水揚水発電所、まさか訓練場に「返還」したりしないよね、という危機感を募らせている人は多いと思う。県政の過去についての反省に立たなければと思う。
 
■世界遺産と訓練場の組合せは、もはや矛盾ではないのかも
 書類作成自体が目的と化しているので、予算をつぎ込んで大部の文書が出来上がればよし。地元の人の意見に耳を貸さない役人と政治屋たちは、自分たちの作成した書類にすら価値を認めることができず、手当たり次第に損なっている。現在進行中のN1の伐採や砕石舗装は、まさにその典型と言える。
 世界遺産候補を目指そうと語る人びとは、夢のある話をしている風情だが、実のところ非常に近視眼的利益しか見ていない。その目的のためには訓練場の存在に目をつぶり、抗議の声に耳を塞ぎ、米軍と日本政府の乱暴狼藉を黙認する以外に方法がないと考えているようだ。だが、この状況は、たとえ国立公園になり、保護林指定を受け、世界遺産認定されたとしても、米軍の訓練場が隣接している限り今後も続く。結果として起こっているのは、米軍訓練場のバッファーゾーンとして自然保護区域が活用されるという皮肉だ。
 生物多様性を言祝ぎ、必要最低限の法制度を持ちながら、このような無法を行う国に、「世界自然遺産」の管理を行う責任など任せようもないし、世界から信頼を勝ち得ることもないだろう。北部訓練場の訓練激化を見ずに、半分返還=世界遺産しか語らない人たちは、国有林だろうが、自然保護林だろうが、戒厳令状態でなぎ倒していく日本政府の姿も、見なかったふりをするつもりだろうか。

■参考報道
「国、法軽視重ねる 県道に金網、協議せず伐採… ヘリパッド工事」『琉球新報』2016年7月29日 05:04
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-325340.html

「森林管理署、伐採を事後容認 北部訓練場着陸帯工事」『琉球新報』2016年8月6日 05:00
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-330364.html

「<米軍ヘリパッド>防衛局、伐採の事前協議なし テント撤去も法的根拠なし」『沖縄タイムス』2016年7月28日 05:01
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/54038

「<米軍ヘリパッド>沖縄防衛局、許可なく立木伐採 「事後申請」で手続き成立」『沖縄タイムス』2016年8月6日 09:25
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/56188

■参考チョイさん日記
【※参考チョイさん8月9日を追加しました】
→これで明解。N1オモテもウラもノ・パサラン、どっちがということではない。みんなで集合・散開を繰り返しながら張り切って止めて行きましょーう!

N1地区のヘリパッド工事には大型ダンプ630台分の砕石が必要---1日に15台入っても42日もかかる
2016年08月09日
http://blog.goo.ne.jp/chuy/e/ff47d08008e3d1b1b8d999cd9694671a

<緊急>N1裏テントの場所は、国有林ではない?---「錯誤」では済まされない。防衛局はテントを強制撤去できない!
2016年08月07日
http://blog.goo.ne.jp/chuy/e/b1f1e10a3d0c85fdeb7704eba79304fb

高江、沖縄森林管理署長も防衛局の違法工事を指摘---「事前協議がないまま、立木の伐採が行われている」
2016年08月04日
http://blog.goo.ne.jp/chuy/e/a11f74bb8a5801289c86cb7d73127c7d

また、防衛局の違法行為---沖縄森林管理署との立木伐採に関する事前協議を行わないまま道路工事強行!
2016年07月28日
http://blog.goo.ne.jp/chuy/e/87bbc0189374498fc8788fe606ea7fda



20160807

エセアセスで評価された保全措置の不履行

「各施工区域の出入口にはダンプ洗車設備を設置して、運搬車輌に付着した土砂が一般道路に流出しないように、粉じん等の発生源対策を行います」。(第9章総合評価9ー2頁)

→していません。
→エセアセスに書いた約束の不履行は、さあ、だれがどう責任取る?

20160806

高江ヘリパッド>深呼吸のとき、情報の整理

さあ。ふかーく深呼吸をして、これからの日々に備えましょう。辺野古浜通信「拡散【8月7日18時:高江N1裏ゲート再集結] 」の呼びかけを読みながら、アイディアを整理する時間を過ごしてみましょうか。

 大袈裟に見えても、カラダを伸ばしてゆっくりと動かして、隅々まで呼吸を行き渡らせる、そのイメージが、かちかちになったアタマのほうも、きっと和らげる。

座り込みは沖縄が経験したこれまでの非暴力直接行動の、沢山の知恵に支えられて来た。「一人びとりが代表」という金武湾闘争の知恵もそのひとつ。代表者を立ててその指導に依存せずとも、ばらばらな個人が集まって連携することが充分に可能だと、示してくれた協働の知恵だった(辺野古総合大学でも、この金武湾闘争の回があったんじゃなかったかい?大学で勉強したことを、実地で役立てましょうねー。)

これまでも、これからも、現場は拡散していきます。N1、N1ウラ、GH入口、N4でオスプレイ監視、辺野古、嘉手納ゲート、京都経ヶ岬・・・。でも、みんなが代表者であれば、現場が拡散しても、チカラが雲散霧消しない。あの満天の星と唄の夜に、根のチカラを、きっとみんな蓄えた。次は自分の居場所を「現場」に。

これまでの合意してない情報整理を兼ねて、現状を見ながら補足もしてみた。
初めての人向け座り込みガイド(持ち物とか。初めてじゃなくても、読み物として)
アクセス高江(行き方や給油所情報とか。)
(緊急の8月初旬は「新川(あらかわ)ダム」を目指そう)
 ➡夏休みをどこで過ごすか(緊急的8月初旬のアクセス情報ほか)
 ➡ゆんたく高江「高江の行き方」
 ➡辺野古浜通信「N1裏ゲートと新川ダム駐車場」
 ➡平和市民の辺野古・高江カー情報2016年8月
今いる場所から出来ること(現地でなくても「現場」を創る)
 ➡高江の声になって下さい(要請先のいろいろ /English
What US citizens can do for TAKAE English/ 世界中からアメリカへの呼びかけよろしく!日本語解題はここ
 ➡署名あり「高江ヘリパッド建設中止を!ヘリパッド建設中止」by辺野古・高江を守ろうNGOネット(change.org以外にフォームもある、ステキ!/English

■非暴力直接行動のコツについて
 考えてみたメモ
 twitterテクについてメモ
 以下、非暴力直接行動tweetのためのメモ、続き。あくまで「直接行動のための」ってことで。
 ●「お、いいね〜」とRT・・・っと、その前に一呼吸。その情報は正確ですか。
 ●「お、やるね〜」とRT・・・の前に。増幅する価値がある?お喋りレベルの満足?
 ●その怒りは、拡げればチカラに変わっていける?考えてから世界に投げだそう。
 ●東京の憂さ晴らしに高江で溜飲を下げているのは誰だ?
 ●せっかく分散してチカラにするツールが、一極集中・中央集権を招いていない?
 ●聞く行為、語る姿勢。他人の声に耳を澄ますのはアクティヴな行為、語りかけるときはそれが伝わっているのか受信するアンテナを。

■高江ファクト、高江ヒストリー系
 ●訓練場を後回しにする基地返還構想はかなりマズイ
 ●SACO = 北部訓練場の機能強化のこと
 ●エセアセス、N1道はアトダシデス(国有林の無断伐採が確定!やっと!これから!)
 ●国によるネグレクト暴力
 ●北部訓練場の事件・事故
 ●騒音・低周波の被害実態
 ●反対決議の年表
 ●専門家・NGO・国際的な反対の年表(1999-)(NEW→日本カトリック正義と平和協議会の声明/英文はこちらEnglish
 ●沖縄県議会のヘリパッド工事反対決議(English





20160805

「高江のブヨに効いた」体験談

脱ステロイド、脱ディートを目指す人に献げる!「高江のブヨに効いた」体験談をシェア
(他人の話やネットの情報を鵜呑みにせず、自分で確かめてから利用しましょうね)

●蜜蝋クリーム
 蜜蝋・ホホバ油・エセンシャルオイル、この三種を温めて溶かしてつくる蜜蝋クリーム。エセンシャルオイルの種類で、いろいろできるし、蜜蝋とホホバ油の配分で固めor柔らかめの仕上がりを調節。ミントキャンディとかの缶ケースに2つ3つできるぐらいの仕上がり分量で、エセンシャルオイルは各1滴から2滴。小さく作っておけば、どこにでも携帯できて、夏中に使い切ることが出来る。
 高江のブヨに刺された鳥好きの男に効いたエセンシャルオイルは以下の三種の配合でした。大いに個人差があります。必ず確かめて。ひどいときは無理せず我慢せずお医者にかかりませう。
 +スパイク・ラベンダー
 +ジャーマン・カモミール
 +ペパーミント

●虫除けスプレー
 蒸留水、長持ちさせたいときはホホバ油などにエセンシャルオイルを垂らしてシェイク&スプレイ!1リットルに1滴ずつとか、ごく少量から試してみる。
 +シトロネラ
 +ローズマリー
 +ニーム
 +自分の好きな香りになるもの







 



20160804

8月5日島ぐるみバス>県庁前14時30分発高江行き

まちかんてぃーしてました、島ぐるみ会議からのオフィシャル告知
【8月5日 辺野古バス運休のお知らせと高江行きバスの臨時運行について】
県庁前10時発の辺野古バスは運休
県庁前14時30分発 高江行きバス臨時運行
 → 19時30分頃 現地出発(那覇向け帰り時間ということね)
先着順/1500円(通常料金+500円)
※告知はないけれど、現地に泊まる予定の人は必ず乗車時にその旨伝えましょう!!

★その他の8月5日関連のまとめは前の投稿「夏休み、どこで過ごすか」でチェック
★持ち物の詳しい考え方、ちょっとぴりぴりっと緊張する人は「初めてガイド2016
★行き方の詳細は、「アクセス高江



「盗まれた星たちを取り返しに行く」

緊急賛同募集!
生物多様性の宝庫、やんばるの森と住民の生活を守るために行動を! 
高江ヘリパッド建設中止を!ヘリパッド建設中止
署名の第二次締切は8月22日朝9時と更新情報が出ていました。

高江のことをどうしようもなく思い出す歌があります。
チャボやRCのことが好きなあの人この人の顔も浮かぶ。
皆さんも好きな歌を持って、座り込みにお出かけ下さい。


ガルシアの風 詞・曲 仲井戸麗市

ガルシアの風に吹かれて ぼくらは丘を渡ってく
陽だまりの里にたどり着いたら なだらかな坂道 川へと降りてく

君は自由の服に着替えて 冷たい川の水に足をひたす
幸運なお日様が顔をのぞかせ ぼくらを祝福する

ああ どうにもならぬ事など 何もなかったのです
ああ どうしようもない事など 何ひとつなかったのです

草木を植え 花を育て 水を汲む
風をつかみ 夜空を仰ぎ 月に祈る
祭りの夜に 火を焚き 唄を詠み 収穫の雨を乞う

さあ 明日の子供たちよ 海へ森へ走れ
世界中のささやかな夕食のテーブルから
おいしいごちそうが消えてしまう その前に

ああ どうにもならぬ事など 何もなかったのです
ああ どうしようもない事など 何ひとつなかったのです

ガルシアの風に吹かれて ぼくらは遥かな丘を渡ってく
陽だまりの里にたどり着いたら なだらかな坂道 川へと降りてく

ぼくらはみんな自由の服に着替えて 冷たい川の水に足を投げ出す
やがて漆黒の夜が訪れたら 僕らは
盗まれた星達を取り返しに行く

ああ どうにもならぬ事など 何もなかったのです
ああ どうしょうもない事など 何ひとつなかったのです

ああ どうにもならぬ事など 何もないのさ
ああ どうしようもない事など 何ひとつないのさ
ああ どうにもならぬ事など
ああ どうしようもない事など

さて、夏休みをどこで過ごすか!

美しい高江の夜空が、掲げられている。住民の会のblogに。そして『琉球新報』に。夏休みの楽しいキャンプの誘いでもなく、観光キャンペーンでもなく、天の川の夜空が新聞一面に掲げられたのは、これまでなかったかなとしみじみしました。でも、正義への呼びかけにこれほど相応しいビジュアルはない。歓びに満たされるために空を見上げる権利を、米軍訓練場から、日本政府から、取り戻しましょう。

(1)食糧持参・持ち帰り!
(2)キャンプの準備(休むための工夫、簡易携帯トイレの工夫、懐中電灯ホントに必要)
(3)マイカーでない人は、住民の会からの送迎情報をチェック
 ▶名護バスターミナル→高江送迎車
  5日・6日・8日・9日(7日はナシ)の9時・11時・13時・15時
 ▶高江共同店(名護発-高江行きバスの終点)→高江送迎車
  1日3便のバス到着後
  いずれもテント当番に要連絡 090(9789)6396
 ▶8月5日島ぐるみ会議辺野古バスは高江バスに【追加情報】
  県庁前10時発の辺野古バスは運休
  県庁前14時30分発 高江行きバス臨時運行
   → 19時30分頃 現地出発(那覇向け帰り時間)
  先着順/1500円(通常料金+500円)
  ※現地に泊まる予定の人は必ず乗車時にその旨伝えましょう! 
(4)8月5日(金)18時より高江現地集会@N1ウラ、新川ダム駐車場を目指して下さい。
(5)「戒厳令」状態の封鎖も想定されるので、早めの高江入りが呼びかけられています。
(6)波状的に高江入り遅れて高江入りも、当然歓迎されますよ!座り込みには休息交替が必要。この波乱が来週までで終わることもありません(涙)。
(7)高江にたどり着けなくても辺野古ゲート・嘉手納基地ゲートなど選択肢は盛りだくさん。
(8)8月5日(金)13時より、那覇では、辺野古・違法確認訴訟・第一回口頭弁論の事前集会あります。那覇地裁前の公園にて。

(番外)8月11日は「山の日」です。やんばるの山で過ごすのにピッタリ!
 簡易トイレ、携帯トイレなどググっていたら、「山のトイレを考える会」というサイトに行き当たりました。大事なアイディアが沢山詰まっていましたよ。
 そして、ついついキャンプ・グッズなど買いにショッピングモールへ走ってしまったりしがちですが、古新聞で手作り、こういうの、大好き。
 あの大企業の加藤さんという人が紹介するその名も「カトー折り」 練習用シートあり!
 さらに裏返して丈夫な袋になるそうです。座り込みの合間にいかがでしょう。

(最重要)高江の暮らしが最優先
 そして、高江の工事現場は、本格的登山というイメージではなく、自然に抱かれながら暮らしが共存している地域です。150名の集落に、すでに500名もの機動隊が押し寄せて暴れ回るので息苦しくなっています。高江の暮らし、仕事の日常、そして子供たちは、「風景」ではありません。心遣いを最優先して下さいね。




20160802

高江ヘリパッド>国によるネグレクトという暴力

 ネグレクトとは、暴力の一形式である。

 高江ヘリパッド問題に関して、長年にわたって抗議の表明が多方面から上がってきたことは「反対決議の年表」「専門家・NGO・国際的な反対の年表」でまとめた。先日、沖縄県選出の国会議員全員が抗議行動に参加したという事実は、当然、国に対する「地元の反対」の声とすべきであるし、辺野古に決議を焦点化してきた人びとはもちろん高江の抗議をカタチにしつつある。ちゅら海人の会のニュースを年表にも追加しなければ。北谷町議会が、そしてVeterans For Peace 米国の退役軍人による平和団体もこのリストに続くかもしれないとの報道もある。
▶米で沖縄のヘリパッド反対決議へ 退役軍人の会、8月に総会 辺野古新基地撤回も『琉球新報』2016年7月26日 05:01
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-323361.html
▶米軍ヘリパッド建設抗議 高江に150人結集 県選挙区選出の衆参議員そろう『琉球新報』2016年7月27日 16:08
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-324356.html
▶「高江中止求め意見書/県内初/北谷町議会可決へ」『沖縄タイムス』2016年7月28日 2面。
▶海兵隊撤退を初決議 海人の会、辺野古と高江中止も求める『琉球新報』2016年7月31日 05:01
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-326646.html

 これに対して、日本という国は、高江の反対の声を何度も繰り返し黙殺してきた。
 最新の状況は、例えば、ニューヨークの国連で沖縄の状況について答弁を求められ「一般論」しか答えなかった大使の様子などに浮かび上がる。国連の場で高江や辺野古、沖縄に絡んで表現の自由・集会の自由が問われることは、事前に充分に判っていたはずで、すなわち日本の大使は、高江で国がやっていることは握りつぶしてよいと判断した、そのような高江軽視の答弁と見なされるのではないか。
▶「国連で高江強行着工が議論」『沖縄タイムス』2016年7月28日3面。
「沖縄で集会の自由保障している?」人権団体、日本に質問 高江ヘリパッド工事強行 政府「国内法を遵守」『琉球新報』2016年7月29日 10:31
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-325501.html

 また、機動隊暴力で県道を封鎖した工事再開が、法的根拠などなしに執行された「戒厳令」状況だったことは、まさにその言葉を用いて記事を書いたタイムスの記者らによって改めて検証の報道が始まっている。
<米軍ヘリパッド>防衛局、伐採の事前協議なし テント撤去も法的根拠なし
『沖縄タイムス』2016年7月28日 05:01
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=180468

最新の状況が次々と泡のように生まれては報道されている。だが、一時的にタイムライン上を流れているだけで、記録して繰り返し想起しなければ、簡単に忘れられてしまう。「今まで知りませんでした」「本土のマスコミが報道しない」という言い方を、何度聞かされたか。これも高江が経験してきたネグレクトの20年の経験と言えよう。

 改めて。
 ネグレクトは暴力の一形式である。とくに特定の社会集団に対して起こるとき、人種主義や差別と関連して発現する暴力の典型的な形式と言える。高江について、国が行ったネグレクト暴力の形式を、試みに次のように要約してみる。

(1)小集落にダイレクトに国策の負担を持ち込み、反対の声を黙殺する。
(2)「丁寧に説明」「寄り添う」「負担軽減」などダブルスピークを連呼し、もうばれていてもさらに連呼して、言葉の意義そのものを毀損する。
(3)小集落の指導者(と国が勝手にターゲットを定めた個人)に「受け入れ条件」を出すよう直接迫り、反対する住民との分断、話し合いの窓口の二重化を工作する。地元の代表者としてごく当然の要求を出したら「容認だ」とメディアや公式の場で何度も繰り返し喧伝する。
(4)以後、訂正してもこれを受け付けない。
(5)「地元」が自主的に受け入れたのだという形式を整えることが目的なので、内実を伴わず、約束は反故にされる。つまり受け入れ条件の要求には一切答えないか、あるいは不充分なかたちで資金提供し、形式・表面的に実施したことにする。
(6)期待通りの「地元」を演じた者を、しかし、パートナーとしては見ておらず、むしろ嫌悪する。だから責任はより小さく弱いところに向けて転嫁される。
(7)ネグレクト暴力が起こっていると明らかなのに、代表政治にこれを止めることが出来ない。セカンド・ネグレクトと呼ぶべき状況。
(8)そして、長期化する、という暴力。

 殆どが辺野古にも当てはまる。全国の様々な場所で、例えば原発の立地をめぐっても、これと同様のネグレクトの暴力を確認できるのではないだろうか。国が「丁寧に説明する」「地元に寄り添う」「意見を聞く」という場合は、大抵、このネグレクトが発現している、と言えるかも知れない。従来、「アメとムチ」という言い方で説明されてきたが、それだけでは充分に言い尽くせていない状況があると思う。

 そういうわけで、国が高江に対して行った具体的なネグレクトの実態を、最近のところから遡って見てみようと考えた。

■2016年7月、沖縄県議会決議の切り捨て
2016年7月、県議会決議に対する国の対応は報道によれば次の通りだった。
▶「「ヘリパッド中止を」北部訓練場/県議会、国に意見書」『琉球新報』2016年7月27日2面記事(Webも同じ)
「沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長は「北部訓練場の過半の着実な返還に向けて全力で取り組んでいきたい」と述べ、中止要請には応じられない考えを示した。」
「外務省沖縄事務所の川田司沖縄担当大使は「(ヘリパッド建設を)地元は賛成し、北部訓練場の返還を願っている」と答えた。」
▶「高江工事中止を要求/県議会防衛局などへ意見書」『沖縄タイムス』2016年7月27日2面。
「中嶋浩一郎局長は「移設工事を着実に進め、一日も早い北部訓練場の過半の返還に全力で取り組んでいく」と述べた。」
・県議会の決議に「応じられない」と切り捨てた。
・「地元は賛成」と伝えた。
・「着実に」「全力で」「一日も早く」土地の返還に取り組むと語った。
地元である県民が選挙によって選出した議会の決定を切り捨てておきながら、「地元は賛成」と臆面もなく語っている。もはや高江という集落に留まらず、地方自治体である県をネグっている。また、「着実に」「全力で」「一日も早く」の言葉通りに政府が取り組んだのは、N4の先行提供と残る4基のオスプレイパッド工事再開に他ならない。
 その政府が拠り処として依存している「地元」として差し出された高江区や東村議会、東村村長の要望・要請は、どのように扱われてきただろうか。最も集落に近接するN4はやめてくれとの村議会の要請は踏みにじられ、そのN4から工事が強行され、先行提供されて現在に至っている。日本政府が地元容認の論拠にしている高江区の「受け入れ条件」なるものはどうか。区長は「再三の要請」が聞き届けられないと訴えている。重要な願いがまったく聞き届けられていないだろうことは、2016年の騒音の実態から明らかだろう。
▶「人口140人の小さな集落、沖縄・高江 「賛成なんて一人もいない」ヘリパッド建設強行」『琉球新報』2016年7月25日。
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-322956.html


■2015年2月、高江住民による訂正をネグる
▶「防衛局と住民 高江ヘリパッドで認識ズレ」
『沖縄タイムス』2015年2月17日 07:43
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=103339
(以下は同記事の印刷版を参照。)
「井上一徳沖縄防衛局長は16日、北部訓練場の過半の返還に伴う東村高江へのヘリコプター着陸帯建設について抗議に訪れた住民らに「東村と高江区から容認という形で理解いただいている」と述べた。さらに、すでに完成したN4地区の2カ所の着陸帯は「既存施設の改修だ」と新たに説明。住民側は「区は反対決議を2回している」「改修ではなく、別々の着陸帯ができている。新設だ」と、認識が食い違った。」
「井上一徳沖縄防衛局長は16日、北部訓練場の過半の返還に伴う東村高江へのヘリコプター着陸帯建設について抗議に訪れた住民らに「東村と高江区から容認という形で理解いただいている」と述べた。」
「防衛局側は高江区容認の根拠として2010年7月に区長が村を介して、住宅や学校上空の飛行回避など18項目の「受け入れ条件」を提示したことを挙げた。」
「住民側は北部訓練場の過半の返還が実現していない段階で、先行的にN4の着陸帯が提供されることにも反発。住民の会の安次嶺雪音さんは「私たちには着陸帯が増えているとしか思えない。18項目を建設容認と解釈しているが、それすらも守られていない」と憤った。」
「仲嶺久美子区長は沖縄タイムスの取材に、「区は集落上空は飛ばないでほしいと要望したが、容認すると伝えたことはないはずだ。抗議決議も撤回していない」と指摘した。」
高江住民の防衛局への要請は何度も黙殺されて今日に至るが、この2015年2月の要請行動が重要なのは、「地元が容認」という言い方について、「容認していない」と明確に訂正しているという点だ。つまり、訂正したにも拘わらず沖縄防衛局はこれを無視して、2016年7月、県議会決議を持参した県議に対して「地元は容認」と説明したのである。訂正しても聞き入れず、勝手に捏造した「地元の意見」を公的な場で繰り返したということを確認できる。区長の「容認すると伝えたことはない」とのコメントは、同日のタイムス原紙記事で当たることが重要であると、高江住民の会のblogに記録されている。
http://takae.ti-da.net/e7281781.html

■2012年7月31日、国から国連に宛てた書簡
 「地元が容認した」との国の一方的な主張は、さらに以前に遡って確認できる。
 経緯は次のような流れであった。2012年2月10日、「琉球弧の先住民族会」(AIPR)
「沖縄・生物多様性市民ネットワーク」(沖縄BD)、「反差別国際運動」(IMADR)が国連人種差別撤廃委員会に対し、辺野古の基地建設と高江のヘリパッド建設は差別であり、人権侵害として早急に対応を求める要請を行った。これに対して国連人種差別撤廃委員会が日本政府に対し説明を求める質問状を日本政府に出した。
http://okinawabd.ti-da.net/e4013409.html

 日本政府は国連への返答として7月31日に書簡を発しており、外務省のサイトでこれを確認できる(正確には仮訳の日本語文のみ、日付もなく公文書と呼べるのかも不明)。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinshu/pdfs/req_info_120731_jp.pdf
「2010 年 7月には、東村高江区から、公共施設の整備等の要請を含む「北部訓練場へのヘリパッド増設に伴う要請について」と題する要請書が提出された。」
「また、2010 年 7月に、東村高江区から要請書が提出されたことから、同区からも一定の理解を得ているものと考えている。」
文書には参考資料としてSACO合意が添付されているのみで、高江区の「要請書」などは添付されず、区の要請の具体内容も不明である。「公共施設の整備」を要請内容として特筆しているが、高江区からの要請はそのようなものだったのか(前段では「高江区から航空機騒音の測定を含む各種要請」とも)。内容を明らかにすることなく「提出された」ということだけで、高江区の理解を得たかのように説明する。
 いっぽうで、地元で重ねられてきた反対の意見について、この文書は全く言及していない。隣村の、大宜味村議会の反対決議にも言及していない。
 更に言えば、反対する地元住民を名指しで民事訴訟に訴えたことも、この文書には一切説明されていないのである。国の名で出された2008年末の仮処分申請は、高江住民が主たるターゲットだった。児童を含む15人、すなわち集落人口のおおよそ1割を、国は仮処分申請で訴えておきながら、そのことを伏せている。「地元の充分な理解」を語るのは、理解を超える不誠実さと言うほかない(SLAPP訴訟についてはすでに多く論じられている。知らない人はまずやんばる東村高江の現状blog>カテゴリー「高江SLAPP裁判」で経過をたどって欲しい)。
 「嘘はついていない、ただ書いていないだけ」。そのようなエクスキューズが聞こえてくるような責任回避の態度は、そもそも公務の質を疑われるものだ。おそらく「理解を得た」と書けば、虚偽の報告と言わざるを得ないだろうから、この文書は「一定の」理解という表現上の狡知が盛り込まれている。抗議を受ければ「一定のと書いてある、嘘ではない」などと答弁できるという心積もりが透けて見えるようだ。しかし、文言の当否をめぐっての無責任・不誠実という抑制的な評価ではなく、ここには典型的なネグレクト、すなわち暴力が振るわれていると言うべきだろう。
 さらに、150名ほどの集落が上手く機能する行政の仕組みに過ぎない互選による区長に、その最終責任の重圧を押し付ける書簡が、国の名の下に国際機関に提出され、さらに記録として公開されている。国策の脅迫的構造に地域住民を絡め取っていく様子が、如実に浮かび上がるような文書である。これが国際社会に向けて発信されているということの深刻さを、外交公務に携わる者はどう考えるのだろう。保護すべき国民=主権者という感性が欠けているのか。なぜ、沖縄に対してその感性が痩せ細っているのか、ぜひ自らに問うてほしい。

 ここで問題にしたいネグレクトの他にも、この文書には気になる内容が含まれているので、関心ある方は文書に当たって頂きたい。ひとつは「6箇所の着陸帯については、4箇所が着陸帯の新設となり、2箇所が既存着陸帯に設置される」という弁解。N4が「新設」ではなく「既存の施設の改修だ」という言い方は、先述した2015年の高江住民の要請の場で、井上防衛局長によって発言されたのだが、その萌芽がすでにこの2012年の書簡に示されていたようだ(N4は「新たな建設ではない」と言いつつ、自分たちが論拠とする高江区要請文のタイトルが「増設」となっているのを見ると、苦笑するほかない。論及されれば、「増設」は「新設」ではないと言うのだろう)。2007年のエセアセス文書には「既設ヘリコプター着陸帯に隣接する平坦箇所への設置であります」と説明されており、いつの間に「改修」とすり替えることにしたのか。先行提供するN4が新設ではなく改修ならば、住民の生活環境に及ぼす騒音被害の調査も「これまでと変化なし、あとは米軍のすることは判りません」で逃げられると考えたのだろうか。
 また、この文書のように、冒頭部分で「沖縄独特の文化」が「愛好されている」といいながら、権利平等の内実を伴わない。このような在り方を、例えばテッサ・モーリス・スズキならば「コスメティック多文化主義」と呼ぶであろう。文化的な要素を褒め称えて自分たちの一部であると簒奪しながら、正当な権利をネグるのは典型的な少数者抑圧の政治であり、厳しく批判されるようになって久しいものだ。
 「差別する目的で基地を置きました」と対外的に説明する政府など、古今東西ないだろうと思う。「差別ではない」との答弁は、だから、殆ど意味を成さない。結果として差別的処遇が生じていることが批判されたときに、公的機関としてどう対処するのか、その観点が欠けているのである。
 ただ、2012年の国連への書簡は、「要望書が出された」「一定程度の理解」と、それでも言葉を慎重に選んでいた。「容認」と明示的に書くことは出来ない内容だったということだ。ところが2015年、2016年になると日本政府は、強引な工事をしながら「地元は容認」と強弁して恥じないほど醜くなっていることを確認しておこう。

ところで高江区から「受け入れ条件」の提示があったと政府が主張している2010年7月とはどのような時期だったのか、文脈を考えてみる。すなわち、これは建設に反対する住民を名指しで民事訴訟に訴えたSLAPP訴訟の真っ最中であったという背景である。仮処分から本裁判に突入して回を重ねていた頃のこと。那覇地裁による現地進行協議が行われたのは2010年9月だった。住民運動が裁判でバッシングにあっている最中に、地域と行政を結ぶ受け皿になっている区長らを呼びつけて、日本政府の機関による、いったいどのような懐柔や圧力や攻撃があったのか、全く明らかではない。

■2010年、「係争中につき」とネグる
 同じ頃、すなわち「地元容認」の体裁を取り繕うため、防衛局が必死で区長に働きかけていた頃、2010年6月24日、「高江ヘリパッド建設計画に関する公開質問状」が沖縄防衛局長宛てに出されていた。沖縄・生物多様性市民ネットワーク(沖縄BD)ほか環境保護団体が呼びかけ、多くの人が参加して作成されたもので、SACO合意からの経緯の問題点を丁寧に洗い出し、一問一答式で回答できるよう、工夫されたものだった。同年、愛知県で開催されることになる「生物多様性条約締約国会議(通称COP10)」に向けて活動していた、環境保護を訴える市民グループによる問いかけである。
 ところが防衛局はこれに対して「係争中なので、回答できない」と言い渡している。
高江住民の会のblogにその記録が残されている(「7/28高江現地情報・公開質問状@沖防面会報告」http://takae.ti-da.net/e3123337.html)。また、その年度末(2011年)に抗議声明を発した沖縄BDのblogでも、このときの顛末が補足されているので併せて参照されたい(沖縄BD「高江ヘリパッド問題の声明文」2011年2月24日。http://okinawabd.ti-da.net/d2011-02.html)。

 自分たちが持ち出したSLAPP裁判という理由にもならない理由を押し立てて、国は説明責任を拒否した。この年、日本はCOP10国際会議の議長国を務めていたのであり、なおかつ、高江区長への執拗な「受け入れ条件」要求が、水面下で進行していたときのことである。

 国の高江に対するネグレクト暴力の行使の様相を、ごくわずかな事例を挙げて説明してみた。この時間軸をさらに遡れば次に出てくるのはSLAPP訴訟ということになる。

 冒頭のニュースに立ち返って、2016年7月の国連における日本大使の発言に反差別国際運動(IMADR)の小松氏が「日本政府は内と外で顔を使い分けることが今まで以上に難しくなっていると気付いたはずだ」とコメントしている(『沖縄タイムス』2016年7月28日3面より)。公開質問状拒否や国連書簡の例は、そのような内(国民に向き合う政治)と外(国際政治)の場面で顔を使い分けてきた過去の事例であるだろう。そして、沖縄をめぐって、これは単なる「使い分け」では済まされない、ネグレクト暴力の行使の事例と言わなければならないと思う。「ネグレクト」という見方をすることで、硬直していく思考を解放しながら、可能な抵抗を想像していきたいとも思う。
 と、ここまで書いておいて「ネグレクト」って日本語では幼児虐待のカタカナ語として(のみ)流通しているようで、慌ててしまった。日本ー沖縄関係を親子関係や男女関係に安易に転写してもらっては困る。このネグレクトに抗する方法は、「これはネグレクトだ」「ネグレクトは暴力だ」と認識すること、認識することによってネグられる権力関係の構造から我が身を引き剥がすことだろう。同時に、周囲がそのネグレクトに同調しないこと、傍観者として暴力に加担するのではない道を選ぶことだと思う。
 また、ネグレクトを暴力の形式と見なすことは、例えば目下の高江で出現している警察・機動隊の暴力、軍隊の暴力などの熱い暴力に対しての冷たい暴力というような(積極的暴力・消極的暴力とは敢えて言わずに)、いずれも暴力が行使されているとの理解を促す。機動隊による弾圧と同じ重力や過酷さで、静かで冷たい暴力も高江に加えられ続けてきた。あるいは、この冷たい暴力が容認されてきた結果として、熱い暴力の行使を可能にしているという見方も出来るだろう。米兵、警察、機動隊、防衛局員、警備員、公務員、これらの人びとが剥き出しの暴力機構の一歯車に埋没できるだけの、冷たい暴力の浸潤があったということではないだろうか。
 さらに、方法としての非暴力を選択することは、熱い暴力と同時に冷たい暴力をも拒否することに繋がるのではないかなと。最後はちょっと言い過ぎてみる。
 なぜなら、そのように目覚めた人びとが、今日も高江に向かっているから。











時間外とか、アイドリングストップの教育・指導とか。

「早朝や夜間、日曜日及び祝日の工事は原則として実施しません。」
「大気汚染物質の排出量を抑えるため、アイドリングストップや建設機械に過剰な負荷をかけないようにし、丁寧に運転するなど、工事関係者に対して必要な教育・指導を行います」
(沖縄防衛局「北部訓練場ヘリコプター着陸帯移設事業(仮称)環境影響評価図書」2007年2月、第7章より)。

高江の工事はいつも深夜・早朝からいきなり襲撃されてきた。高江に「原則」はない、毎日が例外状態。何でも「原則は」と入れておく。これが公務員の用語法。
そして機動隊は「工事関係者」の対象外かな?米軍はヘリやオスプレイのアイドリングストップなぞもちろんしません。鎮圧・制圧のためなら地域の破壊など関係ない、これが軍隊の作法。
→エセアセスを許した結果、こうなる。
→でも、せめてアイドリングストップ!


20160801

高江ヘリパッド>専門家・NGO・国際的な反対の年表(1999-)

 諸議会の決議は、地元住民の声を集約して表明する代表政治の機会ですが、これを支え正当性を価値付ける数多くの声明、決議、抗議があがってきました。高江のことについて「殆ど報道されていない」「知らなかった」という反応をよく目にするのですが、知らなかったからといって、声が上がっていなかったわけではないのです。
 計画の持ち上がった当初から、環境保護の専門家たちが、グローバルな拡がりのなかで高江を支えてきたことは、環境と軍事基地という21世紀的な関心の最前線に、高江の問題があることを示しています。それは、沖縄においては、環境保護の取り組みを基地問題への取り組みと切り分けることが出来ない切実さであると同時に、息長く関わり続ける人びとの存在によって実現可能な運動ということでもある。

 もっとも新しいものは、現在進行形。辺野古・高江を守ろう!NGOネットワークが緊急声明「生物多様性の宝庫、やんばるの森と住民の生活を守るために行動を!高江ヘリパッド建設中止を!」を発表し、署名を呼びかけています。ぜひ連なって下さい!
http://www.foejapan.org/aid/takae/160730.html

 ところで、この抗議声明一覧の必要性をいち早く実践していたのは、沖縄・生物多様性市民ネットワークです。これは、その試みを引き継いでみたもの。古い資料でリンク切れだったり、足りないところ、間違っているところなどは、随時補足訂正していこうと思います。市井の個人から専門家まで、島々から海を越えて、拡がりを持っていることが伝わってくるような一覧です。