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20131016

10月20日、沖縄平和学会@琉大

「科学的な理論とは、難解な述語や数式を並べたものではない。住民の行動の方針であり、ひとりひとりに必要なもので、住民自らの手でこれから作ってゆくもので、上から与えられるものではない。宇井純『公害の政治学』より。

沖縄平和学会 2013、ふるってご参加下さい。
日時:10月20日 13時〜17時30分
場所:琉球大学文系総合研究棟302(法文学部と教育学部の間にある7階建ての研究棟です。)

会長挨拶:高良鉄美(琉球大学)

第1セッション:13時〜15時
「危機の時代の研究と運動:調査する市民の権利と研究者」
河村雅美(沖縄・生物多様性市民ネットワークディレクター/ 琉球大学非常勤講師)
宮城秋乃(日本鱗翅学会自然保護委員)
渡嘉敷健(琉球大学工学部准教授/環境工学)

 目下の沖縄では、環境アセスメントや生物多様性の観点で、科学的な調査の機会やそのデータを「公的機関」に依存せず、市民の権利として手放すことなく運動につなげることが、重要な局面を形成しており、また研究者と運動の有機的な連携を生んでいる現場になっています。そこで「危機の時代の研究と運動」と題して、調査する市民の権利と研究者の関わり方について考える機会を持ちたいと、このパネルを計画しました。
 環境アセスやジュゴン訴訟などの側面から辺野古の問題に関わり、沖縄市ドラム缶問題では、あるべき調査の形を行政に提言しつつ市民が積極的に調査に関与する機会を切り拓いている沖縄・生物多様性市民ネットの河村雅美さん、絶滅が危惧される蝶や甲虫の観察とその成果の魅力的な公表、市民参加の機会作りで、まさに虫の目から米軍基地問題に果敢に取り組む宮城秋乃さん、低周波という固有の問題群を目に見える統計データに起こし、普天間飛行場の騒音問題を認識論的に書き換えた渡嘉敷健さんにご登壇いただき、それぞれの取り組みを紹介していただきます。後半では討論として、沖縄で運動の現場に立つ研究者の苦労体験も交えつつ、その意義について語り合う機会といたしましょう。
ファシリテーター:阿部小涼(琉球大学法文学部)

第2セッション:3時半〜5時半
「沖縄戦・『具体』と『普遍』をつなぐ〜市町村史・証言集づくりの現場から」
川満彰(名護市教育委員会)
吉川由紀(元沖縄愛楽園証言編集事務局・沖縄国際大学非常勤講師)
加島由美子(糸満市教育委員会)

 戦後68年を迎えた今、沖縄戦を後世に伝えようとする様々な実践が行われています。そうしたさまざまな実践の現場では、常に沖縄戦のどのような事例を取り上げ、何を伝えるのかということが問われています。限られた時間の中で行われる平和教育の現場では、特にその課題は顕著です。具体性をともなわないと伝わりにくいという側面がある一方で、具体的な事例の紹介だけでは、必ずしもこれまでの沖縄戦研究で明らかにされてきた沖縄戦の本質に迫ることになるとは限りません。その意味では、沖縄戦を伝える現場では、常にそれぞれの事例という「具体」と沖縄戦の本質という「普遍」をどのように「つなぐ」ことができるのかということが問題になってきます。
 そこで、今回は市町村史をはじめ、特定のテーマでまとめられてきた沖縄戦記録(証言集)づくりの現場に注目します。報告者にはまず市町村史(証言集)づくりの過程で沖縄戦のどのような具体像が明らかになってきたのかを報告してもらいます。それとともに、その過程で沖縄戦の本質的な部分がどのように意識され、それがどのような形で調査や編纂に反映されていくのか、そしてそこにどのような葛藤が生じるのか?ということについて触れてもらいます。市町村史(証言集)づくりの現場において、どのように「具体」と「普遍」を「むすぶ」実践が行われているのかということを学ぶことで、「沖縄戦を伝える」という実践の今後のあり方を考えていきたいと思います。
コーディネーター 北上田源(琉球大学非常勤講師)

お問い合わせは事務局まで:
星野英一(琉球大学法文学部)098-895-8253/ hoshinoe(あっと)ll.u-ryukyu.ac.jp

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