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20120706

基地内性暴力、報告書を沖縄の立場から読み直すこと

[追記]Webでもアップされました。
在沖海兵隊、基地内性的暴行67件『琉球新報』2012年7月6日

元になった米軍の統計はここから。
United States Department of Defense, Sexual Assault  Prevention and Responce, Annual Reports
Fiscal Year 2011 (28MB)

DLせずとも便利、scribdにアップしてくれている人がいるぞ。ここからも見られます
(使われている単語のせいか、冒頭で警告が出ます)

この件について報じたStars and Stripesの記事。
Jennifer Hlad, DoD: Number of Sex Assault Reports Holds Steady in 2011, Stars and Stripes, April 13, 2012.

Amanda Wilcox, Report: More Sexual Assaults at Camp Lejeune, Stars and Stripes, July 1, 2012.

ノースカロライナ州キャンプ・レジューンについてまとめた上記記事のなかで、ごくさらっと「日本の在沖海兵隊は67件が報告されており大差ないかたちでこれに続いている。次いでサンディエゴのキャンプ・ペンドルトンが64件」と触れられている。単純に事件の数を並べて基地別にランク付けするのは、軍隊の側の視点でしかない。駐留を抱える地元の視点に立つとどういうことか。新報の記事は、これを「発生率」との考え方に立って作表したわけだ。正確な発生率比較のためには、分母にあたる駐留人員の数が問題になるだろう。もちろん、その問題は新報にではなく、正確な駐留人員を公表しない米軍にある。

また、この数字が氷山の一角であることは、誰でも了解しているだろう。キャンプ・レジューンの担当官は数字の増加について、問題について兵士が報告しやすい環境作りが進んだ結果との見方を語っている。

しかし、沖縄では「氷山の一角」とのコメントには当然、この数字は基地内部の性暴力の統計であり、基地の外の住民に対する暴力はいったいどれほどなのか、という深刻さがまず第一に直観されるのだ。

こうした多くの問題点を指摘するチャンスを切開したこの記事、重要だと思う。継続して沖縄の視点に立った報告書のレビュー連載を求めたいと思います。


27面には、さらにジェーンさんことキャサリン・フィッシャーさんが、米国内で提訴、という記事もある。ぜひとも本紙を入手して読んで下さい。