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20160724

<解題>アメリカ市民の皆さんが高江のために出来ること

やんばるの山を柵で囲い込んでも、人の心を囲い込むことは出来ません。「現地」を立入禁止にすれば、ますます「現場」が拡散してゆくのです。マスメディアが伝えなくても、グラスルーツの根をはわせましょう。

 さて、何ができるかな。
 ということで、今回は、合意してない声明ではなく、米軍基地をめぐって起こっていることが、政府のスクリーンを通して歪められることなく、アメリカの政治の現場に伝わるようにと願う、お手紙を書いてみました。焦るばかりでうまく書けないし、次々に酷いことが起こるので、とても全部は言い尽くせない。
 足りないところは、皆さんにお任せします!どんどん加筆訂正して、自前の資料や写真を添えて、気持ちを添えて、あなたの名前でご友人やネットワークに向けて送ってみるというのは、どうでしょう。ひとりで出すのも良いけれど、色んなグループやネットワークにも声をかけて、それぞれからアメリカのいろんな組織や議員に向けてアプローチしてくれることを期待したいのです。沖縄では、知り合いの知り合い・・・とつないでいけば、3人目くらいで会いたい人に会えたりします。世界はさすがにもうちょっと広いか。でも、まあ。希望を拡散しましょう。

英文はこちら。
日本語文にすると以下のような内容です。




アメリカ市民の皆さん、経験を共にする世界の友人の皆さん

現在、沖縄を苛んでいる事態は、つまるところアメリカのために行われています。この手紙はそういう理由であなたに届けられました。

今週、日本政府は本土から何百人という規模の機動隊を、生物多様性の宝庫、やんばるの森に囲まれた小さな集落、高江に派遣しました。沖縄島北部に位置する高江は、米海兵隊ジャングル戦闘訓練センターとも呼ばれる北部訓練場にも接しているところです。殆ど戒厳令というべき状態で、日本政府は、北部訓練場に海兵隊のヘリパッドを建設するという計画に反対するため集まった非暴力のアクティヴィストたちを制圧したのです。

 2007年の夏以来、日本政府は反対を押し切って建設を強行し、一握りの高江住民により、建設現場前のゲートで非暴力の座り込みが始まりました。間をおかずそれは大きな直接行動へと展開します。沖縄、そして日本各地、さらには世界中から、人びとが支援のため座り込みに駆け付けました。

1996年、SACO
 現在の混乱の端緒は、1996年に遡ります。日米政府が沖縄の米軍基地に関する合意を結んだ年です。この合意は「沖縄に関する特別行動委員会」の頭文字を取ってSACO(サコ)合意と呼ばれています。その最終報告書には「両政府は、沖縄の人びとの負担を軽減し、かつこれによって、日米同盟の強化を図ることを目的としたSACOプロセスに着手する」とあり、列挙された11項目によって「日米安保条約とこれに関連する合意の下の各義務と整合するかたちで、米軍施設と区域を再編・統合・縮小(*)し、在沖米軍の運用手続きを調整する」というものです。なかでも注目されたのは、米海兵隊普天間飛行場の移設案で、「充分な代替施設が完成し運用できるようになった後、普天間飛行場を今後5年から7年の間に返還する」と書かれていました。結局これは「辺野古案」、すなわち辺野古の海を埋め立ててV字型滑走路と軍港含む付帯施設を備えた新しい基地建設の計画になりました。
(*)原文は "realign, consolidate and reduce" 日本政府の当時の訳文では「整理、統合、縮小」となっている。

 もう一つの主要な返還計画は、北部訓練場に関するものでした。これについては、3987ヘクタール(9852エーカー)の土地を返還する条件として、「ヘリコプター着陸帯」を、返還される場所から訓練場として残存する場所へ移設することを、日本政府が受け入れていました。なぜ米国は土地をただで返さないのか。どのような理由で、返還後も15基も残るのに、さらに着陸帯を要求するのか。住民には一切説明がありませんでした。SACO関連文書は未だに開示されておらず、私たちは、日本政府が交渉の後に最終的にこれらの条件を呑んだ理由や状況を知ることは出来ません。


辺野古と高江に関する日米の操作
高江を機動隊が襲撃する前日の2016年7月20日、地元紙の『沖縄タイムス』は、米太平洋軍司令官のハリー・ハリス・ジュニアが、今年2月ごろ、上院軍事委員会(委員長はジョン・マケイン共和党上院議員)に対して、北部訓練場のヘリパッド建設に関する自身の見解を伝えたと報道しました。タイムスの記事によれば、ハリスは、北部訓練場の新しいヘリパッド建設は年内に完成する見込みで、そうすれば、辺野古基地建設に反対する沖縄の県民感情も緩和するだろうと伝えたのだといいます。

日米軍事利害は、新しい基地施設の建設を、意図的に土地の返還の条件として結び付けてきました。高江で言えば「ヘリパッドの移設」がそれです。

そう、これが、この20年間のSACOの混乱の本当の理由です。日本政府も米軍も、沖縄の土地の返還を、軍事施設の集中化と強化に、執拗に結び付けて来ました。この20年で事態は悪化しています。今日、日米軍事利害は、それぞれ個別の建設計画を、条件として関係付けようとしているのです。

日本政府は沖縄県に対して、辺野古案の集中協議の最中に、高江のヘリパッド建設について妥協するよう迫りました。翻って米軍高官は、米国議会の委員会に対して、北部訓練場のヘリパッド完成が、もつれた辺野古案の解決につながると情報提供しているのです。

もうたくさん
とんでもない。
もうたくさんです。
沖縄に暮らす人びとは、米軍の即時撤退と人びとへの土地の無条件返還を求めているのです。

この5月に起こった元海兵隊員の容疑者によるレイプ遺体遺棄事件を経て達した怒りと追悼の高まりから、沖縄県議会は、1945年の米軍による沖縄占領以来初めて、米海兵隊の沖縄からの撤退を要求する決議を行いました。

そして、今回の高江の抗議者に対する機動隊の弾圧を受けて、県議会はついに、高江のヘリパッド工事強行に抗議し工事の即時中止を要求すると決議しました。

あたなの場所から出来ること:高江の声になって下さい
アメリカ合衆国大統領に真実を伝えて下さい。議会議員に、米国が、沖縄と沖縄の人びとに何をしてきたのか、報告するよう求めて下さい。

これは人権侵害であり、沖縄の人びとの民主主義の破壊です。日本政府の手を使って、米国のために行われていることです。

沖縄を解放するよう、あなたの役割を担って下さい。
希望を拡散しましょう。


ホワイトハウスに電話しよう、手紙を書こう

https://www.whitehouse.gov/contact/write-or-call
Call the President
  PHONE NUMBERS
  Comments: 202-456-1111
  Switchboard: 202-456-1414
TTY/TTD
  Comments: 202-456-6213
  Visitor's Office: 202-456-2121
Comments online
https://www.whitehouse.gov/contact

連邦、州など選出された議員の連絡先
https://www.usa.gov/elected-officials


参考
地元紙のひとつ『琉球新報』紙の英語版Webは、高江や辺野古の他、軍隊に反対する沖縄の闘いを知るのに適切な情報源のひとつとなっています。
<現在、高江で起こっていることについて>
"Tensions between protesters and riot police mount over construction of U.S. Marine Corps helipads in Takae,” July 12, 2016
http://english.ryukyushimpo.jp/2016/07/17/25465/

"Editorial: Governor should declare opposition to resumption of Takae helipad construction,” July 13, 2016 Ryukyu Shimpo
http://english.ryukyushimpo.jp/2016/07/19/25469/

"Riot squad sent to subdue Takae protesters similar in scale to that sent to eradicate yakuza gangsters,” July 18, 2016
http://english.ryukyushimpo.jp/2016/07/20/25476/

<米軍問題に対する最近の沖縄の状況>
"Special Feature: Okinawa holds mass protest rally against US base,” June 19, 2016. (Specially issued for the Okinawa Mass Protest Rallies protesting the rape and murder case.)
http://english.ryukyushimpo.jp/special-feature-okinawa-holds-mass-protest-rally-against-us-base/

<沖縄県議会決議について>
Okinawa Prefectural Assembly demands removal of US Marines from Okinawa May 27, 2016 Ryukyu Shimpo
http://english.ryukyushimpo.jp/2016/05/30/25142/

高江の県議会決議
<高江ヘリパッド意見書全文>『琉球新報』2016年7月22日12:11。
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-321180.html

<米司令官に関する報道>
「高江ヘリパッド工事「年内に終了」米司令官が上院軍事委に伝達」『沖縄タイムス』2016年7月20日。
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=179160

2016年7月22日
合意してないプロジェクト

2016年7月24日:ホワイトハウス、議員宛先を追記。